
2025年11月10日 10:14
近年の子ども期研究(childhood studies)は、ポストヒューマニズムとポストコロニアリズムの影響のもとに急速な進展を遂げ、教育や保育の実践を変えつつあります。
ただ、日本でのその理解はまだ十分とはいえず、たとえば『主体』という概念としばしば混同されがちなエージェンシーについての検討を含め、さらなる研究を進めつつ、今後の現場での実践や大学などでの養成教育に導入していくことが、喫緊の課題となっています。
本学で発行している雑誌『子ども学』13号では、特集1「ポストヒューマニズムと子どものエージェンシー」において、3本の論考を掲載しています。

第1章「マニフェスト ポストヒューマンな子ども」(カリン・ムリス)を、著者の許諾を受け、本学学長小玉重夫教授が和訳した動画が公開されましたので、ご案内いたします。
POSTHUMAN CHILD MANIFESTO (Japanese)「マニフェスト ポストヒューマンな子ども」
「マニフェスト ポストヒューマンな子ども」は、ポストヒューマニズムの立場から従来の発達論的な子ども観を組みかえようとする論稿です。
ムリス氏はフィンランドのオウル大学教授、南アフリカのケープタウン大学名誉教授で、内容的には、カレン・バラッドのエージェンシャル・リアリズムをふまえたものになっております。
独自の用語として「iとしての子ども」「iiとしての子ども」「iiiとしての子ども」が登場するので、雑誌『子ども学』13号の第2章と第3章の論文と合わせてご参照いただけますと幸いです。

『子ども学』13号(萌文書林)は、下記amazon、萌文書林のサイトから入手可能です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4893474030 and https://houbun.com/item/403.html
英文のテキストは上記動画に記載のグーグルドライブから入手可能です。

Posthuman Child Manifesto in Japanese「マニフェスト ポストヒューマンな子ども」動画公開のご案内
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