白梅学園大学
白梅学園短期大学
お知らせ
2018年1月31日 09:05
本の概要、著者より代表して一言
本書の目的は、日本の保育の歴史を整理し描くことである。では、「保育」とは何か。この言葉は、多様な意味で使用されているが、本書が対象とするのは、幼稚園や保育所でおこなわれてきた保育―すなわち乳幼児の社会的保護と教育の歴史である。従来の日本の保育の通史の著作では、明治、大正、昭和という元号を基本として時期区分がなされ、それぞれの時期の保育の動向を記述するという方法が採られている。これに対し、本書では保育自体の生成、変化、発展の歴史をとらえる時期区分を試み、下記の章立てとした。ただし、記述上の便宜から、事柄によっては時期区分を越えて、ひとつの章でその事柄の全体をとりあげている場合もある。巻末には「年表」を掲載した。本文とあわせて活用していただきたい。
日本の保育の歴史
目次(一部)
第1章 子ども観
1.子ども観がなぜ問題になるのか
2.近代ヨーロッパにおける子ども観をめぐる議論
3.日本における子ども観の変遷
4.守られる存在から権利を主張する存在へ
第2章 保育のさきがけ
1.ヨーロッパにおける保育施設の誕生
2.佐藤信淵の保育施設構想
第3章 近代国家の成立と保育施設のはじまり
1.幼稚園の誕生
2.保育所的保育施設
第4章 保育の定着と普及
1.幼稚園の普及と批判
2.社会事業の成立と保育所的保育施設の増加
3.幼稚園令と一元化問題
第5章 15年戦争と保育
1.戦争と保育
2.戦時末期の保育施設
3.保育運動の誕生
第6章 戦後保育制度の確立と展開
1.戦後復興と保育
2.高度経済成長期
3.安定成長期における保育の停滞
4.戦後保育の転換点
第7章 戦後保育体制転換の胎動
1.少子化対策としての保育制度
2.社会福祉基礎構造改革
3.「官から民へ」「国から地方へ」規制改革・社会保障制度改革
4.幼保一元化
5.働く女性の増加、「孤育て」と虐待
(著/汐見稔幸・松本園子・髙田文子・矢治夕起・森川敬子 萌文書林、2017年12月発行、2,600円+税)