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【学長室だより】白梅学園大学附属白梅幼稚園 土曜参観日保護者向け講演会

2018年10月 9日 17:05

白梅学園大学附属白梅幼稚園 土曜参観日保護者向け講演会 学長 近藤 幹生  2018年6月2日(土)

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「今、子育てで大切にしたいこと」

 

幼児期に、おもいっきりあそぶこと、「子どもの時間」を大人たちが大事にすることが必要ではないか。
先日、ここへおじゃましたときに、畑で、今年はじめて取れた1本のきゅうりを子どもたちが大事にかかえていた。

あとで見たら、子どもたちは交代しながら、包丁で輪切りにしていた。スーパーで買ってもらったきゅうりとは、一味ちがうものがある。


ある幼稚園の5歳児クラスで、ウサギを飼育していた。週の初めに、ウサギのえさ(草や野菜の残りなど)を用意できる子は、持ってくることになっていた。

Aさんが、ビニール袋にシロツメクサをたくさん持ってきてウサギ小屋に行った。

金網から、シロツメクサを、一本一本を入れていた。幼稚園長(私)は、そばに寄り見ていたが「そんなに、シロツメクサをあげると、おなかこわしちゃうかも・・」とよけいなことを言った。

するとAさんは、私に質問した。「えんちょうせんせい、けさ、あさごはんたべた?」(たべたよ)「きのうのよるごはんは?」(たべたよ)次の一言がきつかった。「うさちゃんは、きのうから、なにもたべていないんだよ。えんちょうせんせいなのに、そんなこともわからないの?」とやられてしまった。

Aさんが、シロツメクサを、一本一本、「おいしいでしょう」などと声をかけながら、あげていく。子どもが、夢中になってあそぶこと。「子どもの時間」が大事なのだと反省させられた。

「子どもの時間」は、独特な進み方をすること、そして、子育てにおいては、プロセスこそ大事なのではないかと「モーニのすばらしい絵」という短いお話を紹介した。(ミヒャエル・エンデ、矢川澄子ほか訳『魔法の学校』岩波書店、1996年)

どの子も、その子にしかない自分を持っている。ぜひ、わが子の持ち味を見つけてほしい。わが子への発見として、たとえば、小さなつぶやきなどに、ハッとしたとき、メモしておいたらどうだろうかと、私の記録を紹介した。
―「たんぽぽって、かれるといいねえ」(どうして?)「ふえるから」(5歳女児)―
―「かあさん、はっぱのなか、さむい」(木の陰で抱いてあげたとき)(2歳女児)―

保護者の方々は、各クラスの活動に、子どもたちと一緒に楽しく加わっていた。そのあと、つたない話に耳をむけてくださった。ご両親・ご家族のパワーこそが、白梅幼稚園を支えていることを、実感することができた。

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