◆授業科目の目的◆
心理学の中で「感情」の研究は、その歴史自体は長いものの、本格的な研究が盛んになったのは比較的最近のことである。しかし、現在では「感情的転回」という書物が存在するくらい心理学の枠を超えて感情は諸学問で重要な位置を占めるようになっている。この科目では、感情研究に関する基礎的理解を深めると共に、最新の動向を学び、さらに感情に対する教育的かかわりについて学習する。
|
◆授業科目の到達目標◆
感情にかかわる基礎的概念、基本用語を知る。 感情に関する理論的観点を理解する。 感情について、育ちと学びの観点から理解する。
|
◆授業の概要(テーマ)◆
本講義では、感情に対する基本的な考え方をまず概観し、感情に対する誤解や偏見を取り除いていく。 続いて、心理学の中での感情研究について、具体的な実証研究を交えて説明していく。主なテーマとしては、脳神経、社会文化、認知、発達が挙げられる。 これらを踏まえて、感情を育てるための教育的かかわりについて検討し、今後考えるべき課題にも触れていく。
|
◆授業計画と授業内容◆
1. | 感情とはなんだろうか、感情研究の歴史 |
2. | 感情研究に関わる基本的な概念、用語、理論 |
3. | 感情の生物学的な見方と諸研究 |
4. | 感情の発達的な見方と諸研究(その1)・・・乳児期 |
5. | 感情の発達的な見方と諸研究(その2)・・・幼児期 |
6. | 感情の発達的な見方と諸研究(その3)・・・児童期 |
7. | 感情の発達的な見方と諸研究(その4)・・・青年期以降 |
8. | 感情に関わる社会文化的研究 |
9. | 感情と認知の関係(その1)・・・記憶、推論、問題解決 |
10. | 感情と認知の研究(その2)・・・感情を計算する |
11. | 感情に関わる適応の問題 その1・・・情動知性を中心に |
12. | 感情に関わる適応の問題 その2・・・愛着を中心に |
13. | 感情と学びのケア その1・・・理論編 |
14. | 感情と学びのケア その2・・・事例編 |
15. | まとめ 感情とその教育とは |
|
準備学習のアドバイス |
心理学の基礎的な知識ができるだけ必要である。 また統計的データ解析の知識もあることが望ましい |
成績評価方法と評価基準 |
出席(10%)とレポート(90%)による。レポートでは、感情にかかわる基礎的概念や基本用語の知識、感情に関する理論的観点の知識、育ちと学びの観点についての各自の考察を問う。 |