◆授業科目の目的◆
音楽は単なる美しい旋律や響きだけではなく、時代や社会と密接な関係にあることを理解し、国際的な広い視野をもって音楽を考えることを目標とする。西洋クラシック音楽や日本音楽は最初から伝統音楽であったのではない。たとえばオペラと歌舞伎はどちらも1600年頃に誕生しており、当時の人々にとっては革新的で前衛的な音楽であったのである。
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◆授業科目の到達目標◆
音楽の基本用語や基本概念を知る。 東西の音楽で用いられる楽器と実際の音楽の関係を学ぶ。 楽器が社会や文化、演奏場所や聴衆と密接な関係にあることを知る。 楽器の変化と音楽史の関係を理解する。
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◆授業の概要(テーマ)◆
音楽を漠然と聞き流していると気がつかないが、楽器は重要な働きをしている。また、楽器の変化は、製作法や構造ばかりでなく、作曲家、演奏場所、聴衆層の変化とも大きな関係がある。本講義では、演奏場面、実際の楽器製作や練習風景などの映像や録音を使用して、楽器と音楽の関係を、とともに考えていく。
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◆授業計画と授業内容◆
1. | 概説 音楽史の時代と楽器の変化について |
2. | 鍵盤楽器(1):オルガン |
3. | 鍵盤楽器(2):チェンバロ |
4. | 鍵盤楽器(3):フォルテピアノ(ベートーヴェンまで) |
5. | 鍵盤楽器(4):ピアノ(ショパン以後) |
6. | オーケストラ、雅楽、歌舞伎、能 |
7. | 擦弦楽器(1):ヴィオラ・ダ・ガンバ属 |
8. | 擦弦楽器(2):ヴァイオリン属 |
9. | 木管楽器(1):リコーダー、フルート、能管 |
10. | 木管楽器(2):オーボエ、篳篥 |
11. | 金管楽器:トランペット、ホルン他 |
12. | 打楽器 :ティンパニ、太鼓、他 |
13. | 撥弦楽器(1):リュート、琵琶 |
14. | 撥弦楽器(2):ギター、三味線 |
15. | まとめ 楽器と音楽の関係 |
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準備学習のアドバイス |
この講義では、歌ったり演奏したりすることは必要なく、楽譜も原則として読めなくてもよい。事前学習として、世界史や日本史の時代背景や文化などを整理しておく。また事後学習としては、講義で取り上げた楽器の構造や音楽を、テキスト以外に、佐伯 茂樹著 『カラー図解 楽器の歴史』河出書房新社、『増補改訂版 はじめての音楽史』音楽之友社、『リチェルカールの古楽器ガイド』(マーキュリー)[CD8枚]などで復習する。 |
成績評価方法と評価基準 |
筆記試験の成績(80%)と平常点(20%)による。試験は、楽器、時代、作曲家などを問う客観試験(80%)と各自の授業理解に関する論述試験(20%)で構成される。平常点は、毎回の音楽を聴く態度を対象とする。 |
テキスト |
緒方英子著『楽器のしくみ』(日本実業出版社、2006年) |
連絡先(メールアドレス) |
fujituboneko@gmail.com (件名に必ず白梅学園大学と入れること) |