◆授業科目の目的◆
保育士の仕事として、子どもの保育とともに、子どもの家族の子育てへの支援がある。この講義では、そのための理論と実際を学ぶ。すなわち、家族は、昔から地縁・血縁による様々な支援を周囲から受けながら子どもを育ててきた。ところが近年、家族の変容、地域の変貌を背景に、家族の養育力、地域の子育て支援力が弱まり、子育て困難が拡がってきた。こうした中で、社会的制度としての子育て家庭支援の重要性が認識され、保育士はその担い手として期待されているのである。
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◆授業科目の到達目標◆
現代社会における家族の動向を理解する。 現代社会における子育て家庭をとりまく社会環境について理解する。 現代社会における子育ち・子育ての困難について知り、その背景について考えられるようになる。 子育て家庭支援のあり方について理解し、援助者としての実際的な方法を学ぶ。
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◆授業の概要(テーマ)◆
子どもが育つ上で、家族がもつ意味、その家族が今日おかれている状況、そこから生じる子育て困難についてとりあげる。次いで、そうした現状に対して、子育て家庭支援の制度・政策の動向を明らかにし、子育て家庭支援の実践者として、援助のあり方を学ぶ。
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◆授業計画と授業内容◆
1. | 子育ちにおける家族の意義 |
2. | 家族の動向と現状――多様化と少子化 |
3. | 子育ち・子育ての困難① |
4. | 子育ち・子育ての困難② |
5. | 子育て家庭支援の政策と制度①歴史 |
6. | 子育て家庭支援の政策と制度②現状 |
7. | 子育て家庭支援の政策と制度③国際比較 |
8. | 子育て家庭支援のあり方①援助者の役割と基本的態度 |
9. | 子育て家庭支援のあり方②保育所・幼稚園における援助 |
10. | 子育て家庭支援のあり方③支援センター、子育て広場における援助 |
11. | 特別なニーズを持つ家族と援助①育てにくさや障害のある子ども |
12. | 特別なニーズを持つ家族と援助②児童虐待 |
13. | 特別なニーズを持つ家族と援助③多様な家族に対して |
14. | 諸外国の子育て家庭支援 |
15. | まとめ |
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準備学習のアドバイス |
事前学習としては、予めテキストに目を通し、疑問点などチェックしておくことを奨めます。 理解を深め、発展させるための小レポートを何回か課すので、積極的に取組んでください。 参考文献は、授業のなかで紹介します。 |
成績評価方法と評価基準 |
小レポート60%、筆記試験40% |
テキスト |
「実践・家庭支援論」(松本園子他、ななみ書房) |