白梅学園 授業概要(シラバス)2012
サブタイトル 源氏物語の世界 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 人間研究演習B 久保木 壽子 前期 演習
◆授業科目の目的◆
源氏物語は今や世界の人々に読まれている。何がこの作品の魅力なのだろうか。絵巻やビデオを使いながら作品構造を読み解き、制約の多い社会で<どう生きるか>に苦闘する女たちの姿を中心に見ていく。「現代に通じる問題」の所在を突き止めたい。
 

◆授業科目の到達目標◆
源氏物語の全体像を大まかにつかむ。登場する個々の女性が担うテーマを理解する。人物相互の関係を理解し、この時代が抱える問題(身分制度、結婚制度、男女差別の問題)について考える。権力と人間にとっての幸福の問題について考える。作品構造の巧みさについて理解する。
◆授業の概要(テーマ)◆
古典作品だが、古文の授業ではない。演習科目であるが教師主導で無理なくにすすめたい。様々な女性たちの生き様を配付するプリントに即して理解していく。折々に、アニメ・映画を挟みなこみ、流れを確認しながら進める。
◆授業計画と授業内容◆
1.紫式部と作品の時代設定について
2.源氏物語54帖の全体構造 
3.源氏物語第1部の主題①光源氏:「母」喪失の物語 
4.   ②「藤壺」への禁忌の愛と懐妊のはらむもの
5.   ③「藤壺」への禁忌の愛と懐妊のはらむもの(2)
6.   ④「若紫(紫の上)」のテーマ:もう一人の形代
7.   *映像による大意の把握     
8.    ⑤「明石の君」と身分差をめぐる問題
9.さまざまな女性たちの孤独と諦念 
10.源氏物語第1部の意味:予言と光源氏の栄華
11.源氏物語第2部の概要:内部崩壊する六条院    
12.源氏物語第2部の主題 ①女三宮の登場とその意味
13.   ②紫の上の絶望と死
14.   ③光源氏の衰亡と時間
15.全体のまとめ

準備学習のアドバイス 大和和紀「あさきゆめみし」(漫画)やアニメや映画、各種の現代語訳『源氏物語』などで興味ある人物を一人探し出すと、その後が理解しやすくなる。
成績評価方法と評価基準 授業への参加・積極度、リアクションペーパーの内容、期末レポートによる総合評価。
テキスト 特に指定しない。授業はプリントにより進める。
連絡先(メールアドレス) kuboki@shiraume.ac.jp
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