白梅学園 授業概要(シラバス)2012
サブタイトル 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 子ども文化論 首藤 美香子 前期 講義
◆授業科目の目的◆
「遊び」をテーマに子ども文化にアプローチする。「遊びとは何か、遊びの意義はどこにあるか」、私たちの問題意識や思考・感性を、保育学、教育学や発達心理学、社会福祉の学的枠組みから解き放ち、「遊び」を人間存在にとってかけがえのない本質的な事象と捉え直し、遊びというもののもつ広がりと豊かさについて、歴史・文化・思想的に解析する。
◆授業科目の到達目標◆
 保育者・教育者を目指す場合、遊びに期待される教育的な機能や、遊びを支援するための専門的役割、遊び環境の整備の方法に関心が偏りがちだが、何より重要なのは、「遊び心」ではないだろうか。子どもが「遊べなくなった」「遊ばなくなった」と危惧される今日、「いかに子どもを遊ばせるか」という発想をいったん捨て、一人の人間として「遊び心」を取り戻せるよう、文化としての遊びへの洞察を深める。
◆授業の概要(テーマ)◆
・遊びの意義と本質を自分の体験や実感を通して、再発見する
・代表的な遊戯理論にふれ、遊びを理解するための多角的な視点を習得する
・子どもの遊びを記録した史資料や子どもの遊びを主題とする文学作品から、人々の子ども観を探究する
・現代の遊びの実態と課題を把握し、子どもに豊かな遊びを保障するために、何が必要か考察する

◆授業計画と授業内容◆
1.子ども時代を振り返る①―子どもの生活と遊びの意義―
2.子ども時代を振り返る②―世代間にみる子どもの遊びの変化―
3.子ども時代を振り返る③―子どもの遊びとジェンダー(社会文化的性差)―
4.遊戯理論の系譜と展開①―人間はなぜ遊ぶのか―
5.遊戯理論の系譜と展開②―文化史、社会学、現象学的視座から―
6.遊戯理論の系譜と展開③―教育学、心理学的視座から―
7.歴史に残された「遊ぶ子ども」と子ども観―美術資料、伝承遊び、わらべ歌から―
8.文学において表現された「遊ぶ子ども」と子ども観―児童文学、絵本、詩作品から―
9.地域共同体のなかに位置づいた「遊ぶ子ども」と子ども観―祭祀と年中行事、民俗儀礼から―
10.現代の遊び考①―子どもと自然―
11.現代の遊び考②―子どもと玩具―
12.現代の遊び考③―子どもと玩具―
13.現代の遊び考④―子どもと情報メディア―
14.遊び空間の構造と遊具の機能
15.子どもの成育環境と遊びのデザイン

準備学習のアドバイス  自分の言葉で遊びの魅力を語れるようにしておくこと。遊びに関する基礎理論や文献資料を多く紹介するので、在学中に是非、自分で目を通し、その面白さを味わうように。
成績評価方法と評価基準 出席率と受講態度、小レポートと定期試験から総合的に評価
テキスト 適宜紹介する
連絡先(メールアドレス)
関連科目 現代子ども学