◆授業科目の目的◆
昨今「日本的なるものの再評価」という美名の下に、立憲主義という枠を踏み越えて非立憲主義的な精神が私たちに忍び寄る可能性が見られるようになりました。その可能性を現実のものとするかもしれない国民投票法の施行を前に、投票権者である皆さんが貴重な一票を安易に投じないようにするためにも、憲法学の基本事項を中心に具体的な事例に即しながら講義を進めていきたいと考えています。
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◆授業科目の到達目標◆
憲法学の基本用語について理解する。 「憲法」と「法律」の相違を知る。 公・私の線引きを理解する。 外国の事例を基に日本の事例を解決する糸口を探る。
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◆授業の概要(テーマ)◆
公権力に唯々諾々と従うことに何ら違和を感じないとか、日常の私事にかまけるだけで批判を差し控えたりするというのでは、知らず知らずのうちに公権力の暴走に手を貸すことにもなりかねません。本講義では、主に憲法学を通じて「憲法」と「法律」との相違に対する意識を喚起しながら、私たちが陥りやすいこうした姿勢に揺さぶりをかけていくことを目指したく思います。
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◆授業計画と授業内容◆
1. | ガイダンス 法の歴史 |
2. | 法の分類と解釈 |
3. | 立憲主義 |
4. | 憲法の担い手と憲法問題の本質 |
5. | 基本的人権保障の体系 |
6. | 自由な情報流通とプライバシーの権利 |
7. | 憲法と文化 |
8. | 経済的自由 |
9. | 生存権と労働基本権 |
10. | デュープロセス |
11. | 国会・内閣 |
12. | 裁判所 |
13. | 地方自治 |
14. | 憲法改正と憲法の保障 |
15. | 理解度の確認 |
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準備学習のアドバイス |
事前学習として、次回の講義で出てくる予定の条文をチェックし、様々な憲法状況を想定できるようにしておく。 事後学習として、講義中に出てきた専門用語を確実に理解し、たとえ直接自分に関係がなくても、講義内容と関連する憲法状況を自ら想像できるようにする。 |
成績評価方法と評価基準 |
試験70パーセント+出席30パーセント |
テキスト |
テキストとして『初学者のための憲法学』北樹出版、2008年)を使用します。さらに、最新の六法全書(2012年度版)を必ず持参して下さい。入手しやすいものとして、ポケット六法(有斐閣)を薦めます。 |
連絡先(メールアドレス) |
dxtjr889@yahoo.co.jp |