白梅学園 授業概要(シラバス)2012
サブタイトル 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 ヒューマニズム論 平賀 明彦・中島 好伸・丸山 慶喜 前期 講義
◆授業科目の目的◆
「ヒューマニズム」とは、西欧思想において、諸個人の尊厳と価値を保障する倫理的姿勢を意味している。善・悪を判断できる知性(理性)をもった人間は、こうした倫理的姿勢をもつはずである。しかし、現代社会において、こうしたヒューマニズムの理想は、実現しているのだろうか。本講義は、これを問うものである。
◆授業科目の到達目標◆
本講義は、ヒューマニズム――あるいは「人間」――を考えると同時に、人生をいかに歩むのか――とりわけ子どもや高齢者など他の人間とのかかわりとのなかでいかに生きるのか――を各受講生に再考してもらう糸口を提供する。
◆授業の概要(テーマ)◆
15回の内、6回を中島が担当する。人間は肉体と精神から成り立つが、近代は不合理な精神を切り離すことによって科学的合理性を獲得してきたと言われる。確かに、現代のわれわれは多くの幸せを獲得しているが、存在論的不安は逆に増しているとも感じられる。このような逆説を、デカルトを挟んで前後の文学作品から拾い出し、ヒューマニズムを考える素地としたい。
15回のうち6回を平賀が担当する。ヒューマニズムの考え方の起源にまでさかのぼりながら、歴史的な流れのなかで、それがどのように推移し近代ヒューマニズムにたどり着いたか検討してみる。その上で、現在それがどのように実現されているかを考えていきたい。6回終ったところで小レポートを課す。

◆授業計画と授業内容◆
1.授業の導入。科学の進歩と不安について。聖書的人間ヨブ。
2.デカルト以前。ルネッサンス的人間観。シェイクスピアの『ハムレット』を読む。
3.デカルトの『方法序説』を文学的に読む。
4.デカルト以後。『ガリバー旅行記』から「ラピュータ航海記」を読む(ニュートン登場)
5.人造人間の悲劇 『フランケンシュタイン』を読む
6.まとめ。テスト
7.ヒューマニズムの起源
8.人間探求の営みの歴史
9.神的世界の超克と人間性への回帰
10.近代ヒューマニズムの誕生
11.ヒューマニズム精神の開花と多様化
12.6回分のまとめ

準備学習のアドバイス デカルトの『方法序説』を読むことに挑戦してほしい。(全部理解できなくともかまわない。)あとは大まかに、『ハムレット』か「ラピュータ航海記」か『フランケンシュタイン』のどれかを読んで、ヒューマニズムについて考えてみてほしい。自分で考えてみることが大切です。
成績評価方法と評価基準 6回目に、授業内容についての簡単な試験(30分程度)を行います(中島)。
6回が終ったところで簡単の小レポートを課します(平賀)
テキスト プリントを使用して授業します。
連絡先(メールアドレス) nakajima@shiraume.ac.jp(中島)
hiraga@shiraume.ac.jp(平賀)
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