◆授業科目の目的◆
(1)基礎的研究と支援的研究を統合を目指す、(2)両者に適応可能な理論の確立する、という視点から、言語発達の過去と現在の研究例を紹介し、言語発達研究の今後の展望について述べる。この講義では特に発達心理言語学に焦点を当てる。
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◆授業科目の到達目標◆
言語発達や発達心理言語学に関する実証的な研究と理論的研究に関する基本的知識を習得し、人間の発達についての深い考察ができる能力を身につける。
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◆授業の概要(テーマ)◆
岩立の「社会的・生物的認知アプローチ」では、(1)発達の中心は認知システムである、(2)言語発達において入力情報は唯一ではないが重要な役割をはたす、(3)言語発達には神経学的・生物学的基礎の理解が重要である、と考えている。この視点から、この講義では、言語発達の過去と現在の研究例を紹介し、言語発達研究の今後の展望について述べる
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◆授業計画と授業内容◆
1. | 導入 |
2. | 語彙獲得(急激な語彙増加、般用誤用、制約論など) |
3. | 認知と言語 |
4. | 文法の獲得(動詞と助詞の獲得) |
5. | 幼児の言語理解(知覚のストラテジー) |
6. | 成人の言語理解(Parsingなど) |
7. | 生物学的基礎1(脳と言語、失語症) |
8. | 生物学的基礎2(霊長類の言語、進化と言語、老年期の言語) |
9. | 生物学的基礎3(生得論と臨界期・生物プログラム仮説など) |
10. | 言語発達理論1(生得論) |
11. | 言語発達理論2(心理学理論など) |
12. | 語発達支援1(発達性言語障害、特異性言語障害) |
13. | 言語発達支援2(自閉症、学習障害) |
14. | 発達支援の実際 |
15. | まとめ(言語発達の基礎研究と支援研究の統合をめざして) |
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準備学習のアドバイス |
講義内容への質問、意見があれば講義途中でも講義後でも受けつける。その他、疑問点などを、参考図書や図書館の関連書籍で調べることも役立つだろう。 |
成績評価方法と評価基準 |
期末に実施される論文形式の筆記試験(持ち込み可)で評価する。評価の視点と重み付けは、(1)主張の論理性(30%)、(2)主張の根拠の確かさ(30%)、(3)独創性(40%)とする。 |
テキスト |
岩立志津夫・小椋たみ子(編)『よくわかる言語発達』ミネルヴァ書房 |
連絡先(メールアドレス) |
siwatate@fc.jwu.ac.jp |