白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル <家族と人間の育ち> 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 家族心理学研究 室田 洋子 前期 演習
◆授業科目の目的◆
家族心理学の視点に立ち、家族内のコミュニケーション、母性父性のありよう、子どもの人格形成と家族のかかわりなどを探求します。子どもの育ちとともに発達し、変化する家族のダイナミズムを発達心理学と臨床心理学の知見を加え、事例も多く取り入れて考え、家族理解が深まることを目的とします。

◆授業科目の到達目標◆
現代家族の諸様相の理解。家族内コミュニケーションの発達的変化の理解。母性・父性・同胞関係の発達的変化を知る。家族内における人格形成と人格破壊の実態を知る。家族システム論、家族療法の基礎を理解する。

◆授業の概要(テーマ)◆
現代の家族・家庭について心理学から探る。特に家族内コミュニケーション、母性と父性の発達的変化を家族の生涯発達の視点から関係論の視点も加えて考察する。すなわち、子どもが生まれることによる家族内のダイナミズムの発達的変化を、夫婦関係、母性・父性・同胞関係の変化とひずみ、人格形成と人格破壊の問題などを思春期青年期の発達課題も含め考える。また家族システム論および家族療法の基礎も学ぶ

◆授業計画と授業内容◆
1.ガイダンス(授業の目的、進め方、評価の方法)
2.システム論の観点から家族を見る。  family as a whole の理解
3.子どもによって親は育てられる    母子相互作用 family homeostasis
4.家族ダイナミックスの発達を追う   kroh の反抗期現象と家族の発達
5.関係論の視点から夫婦・家族の関係を考える  一者関係 二者関係 三者関係
6.関係体験の実施。討論。       role pray   
7.生涯発達と発達の危機        crisis(危機)の考え方
8.乳幼児期の子どもの発達課題    basic trust(基本的信頼感)とbasic mistrust(基本的不信感)
9.乳児期の親の発達課題       母性・父性の形成
10.乳児期の親の臨床心理学的問題   マタニティブルー DV  虐待の土壌
11.幼児期前期の発達課題       automomy(自律性)とsyame(恥・疑惑)double bind二重拘束
12.幼児期後期・児童期の発達課題   積極性と罪悪感 勤勉性と劣等感 適格意識
13.思春期・青年期の発達課題     identityの形成 女性性・男性性を獲得する意味
14.家族コミュニケーションを食卓状況に置き換えてとらえる
15.まとめ(討論)


◆事前・事後学習のアドバイス◆
参考資料を適宜紹介します。それらを読んで考え、話し合い、レポートにまとめて提出することを課します。

◆成績評価方法と評価基準◆
出席、レポート、テストで評価。授業内容を理解しているか、それらを的確にまとめているか、参考資料を読んでいるか、などを含め総合的に評価します。

◆テ キ ス ト◆
図解ー心理学(学術図書出版)、心を育てる食卓(芽ばえ社)、

◆連絡先(メールアドレス)◆