白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル 有島武郎 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 人物研究演習 高原 二郎 後期 演習
◆授業科目の目的◆
資産家で大農場主の家柄の長男。大正天皇の学友ともなった上流選良社会の人。その農場を小作人に無償で解放し、大正の良心とまで称揚されて、働く人や女性や教育者たちの信望を一身に集め、近現代の文学者中群を抜いて鋭く社会のゆがみをつき出し批判しながら、自殺(心中)という形で挫折してしまった作家、思想家。

◆授業科目の到達目標◆
下記授業計画はその有島武郎の活動の中から拾い出した項目ですが、どの1つをとり出しても、ただ今現在の私たちの生き方にぶつかってくる巨大な課題です。生き方の勉強、これが目標です。

◆授業の概要(テーマ)◆
=グループによる各項目の調査検討、報告発表と全体討議

◆授業計画と授業内容◆
1.序論=精神形成論―武郎入門―(3回)
2.序論=精神形成論―武郎入門―(3回)
3.序論=精神形成論―武郎入門―(3回)
4.国家と戦争と人間とは?―世界史の中の国家の姿も考えてみよう―
5.資本主義と社会主義と無政府主義とは?―切れることとつながること―
6.理想の国とは?―クロポトキンの「相互扶助」と「中世自由都市」―
7.自然と人間の関係とは?―もともと人間は?―『カインの末裔』―
8.都会と人間の関係とは?―人間が都会化されてゆく?―『生れ出づる悩み』―
9.科学と人間の関係とは?―研究は何でも自由か?―『実験室』―
10.子どもとは?―『一房の葡萄』『小さき者へ』―
11.女性の独立と結婚とは?―『或る女』に挑戦!
12.「愛」とは、ヒューマニズムとは?―『惜しみなく愛は奪う』に挑戦!
13.良心を誠実に生きる、とは?―農場解放と「宣言一つ」と死。
14.「自由」とは?―おしまいの大問題 ―「自由は与えられず」―
15.整理(1回)


◆事前・事後学習のアドバイス◆
自分たちの問題にひきつけて、より良い社会へ、より良い生活へ、立ち向かう姿勢の基軸を勉強しましょう。作品は必読指示の物は全員読むようにします。「希望」とは何だろう。どんな「希望」があるのだろう。事前に考えておいて下さい。事後は、「子ども」にとっても「人間社会」にとっても、なくてはならない「灯」を見つめ考えて、社会へ向かう底力に育てて下さい。

◆成績評価方法と評価基準◆
授業参加と発表とレポート。

◆テ キ ス ト◆
特に用意しないが、筑摩書房版他『有島武郎全集』、高原二郎編著『有島武郎評論集・惜しみなく愛は奪う』(新潮文庫)等を中心に指示します。

◆連絡先(メールアドレス)◆