白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル 東南アジアの社会と歴史を学ぶ 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 東アジアの人々と歴史 佐藤 いづみ 後期 講義
◆授業科目の目的◆
アジア経済が拡大を続け、「アジアの時代」と言われています。日本、中国、韓国、3国の経済相互関係は深まり「東アジア共同体」構想が語られますが、3国がかかえる「歴史問題」は解決されていません。そうしたなかで東南アジアの小国連合ASEANが発揮する「ASEAN外交」が注目されています。この授業は、高校までに取り上げられなかった東南アジアの自然、社会、歴史を学ぶことを目的とします。

◆授業科目の到達目標◆
①東南アジアの島嶼部と大陸部の自然的特長と社会の多様性を理解する。
②港市国家が世界史のなかで持った役割を理解する。
③東南アジアの国々の近現代史を概観し、日本との関わりを理解する。
④今日の出来事を取り上げ、新聞やテレビニュースからの情報の読み取り方を学ぶ。


◆授業の概要(テーマ)◆
①東南アジアの多様性を形づくった自然 ②中華帝国の朝貢貿易ネットワークに組み込まれた港市国家 ③大陸部にできた領域国家とそれを破壊した植民地経済の形成と特質 ④ミャンマー、ベトナムの近代史における日本との係わり ⑤東南アジアの国々がかかえる今日の問題

◆授業計画と授業内容◆
1.はじめに:「東アジア共同体構想」とASEAN10
2.東アジアの海と陸:環太平洋造山帯とアジアに吹く貿易風
3.海のシルクロード:中華帝国の華夷秩序と朝貢貿易
4.港市国家(1):港市国家の特質
5.港市国家(2):マラッカ王国の場合・・・トメ・ピラスを読む
6.領域国家の形成:大陸部デルタの水田開発と国家形成・・・中華文明の受容と反発
7.植民地経済の形成:モノカルチャー経済の形成とそれを補完した3大米輸出地帯
8.米輸出ネットワーク:日本の米騒動から見たネットワークの広がり
9.ミャンマーの独立:アウンサンの独立と日本軍
10.ベトナムの”ドイモイ”:「貧しさを分かち合う社会主義経済」からドイモイ経済へ
11.”微笑みの国タイ”:王室と「半民主主義」・・・赤色派と黄色派の攻防を読み解く
12.ASEAN外交:小国連合の力
13.まとめ:アジアのなかの日本


◆事前・事後学習のアドバイス◆
毎日の新聞やテレビニュースで、東南アジアに関する事柄に注目してください。

◆成績評価方法と評価基準◆
①授業態度40%、②小テスト20%、③期末テスト(ノート・プリント持ち込み可)40%

◆テ キ ス ト◆
プリントを用意します。

◆連絡先(メールアドレス)◆
izumisato@md.point.ne.jp