白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル 社会福祉領域実例から学ぶ社会調査法 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 社会調査法 渡辺 成彦 後期 講義
◆授業科目の目的◆
 社会福祉士(以下、福祉士と略)資格試験に対応した項目を念頭に置きながらの講義を行います。福祉士としての活動を行う中で、福祉現場の置かれた社会的位置を客観的に捉える方法として社会調査の重要性が認められます。従来の福祉領域での社会調査は、質的=観察・インタビューに重きを置いてきていますが、量的(統計的)調査の重要性が問われています。二つの社会調査の方法会得からその理解をします。 

◆授業科目の到達目標◆
 福祉士・保育士として活動する福祉現場での社会関係から得られる様々な情報を社会調査の手法を用いて整理・加工することで、より現場社会での有意義な活動に寄与するために、質的方法=個別的な日常の会話やインタビュー等から得られる情報と量的方法=アンケート等から得られる広範で限定的な情報の収集方法を会得するとともにその関連性についての理解を深めます。

◆授業の概要(テーマ)◆
 この講義は、後期全8回、1回2限連続で実施されます。1限目にシラバスの順に沿った内容の講義を行い、2限目にはPCを利用したインターネット検索による社会調査関連情報の収集、調査材料の作成、集計ソフトの操作の修得を行います。実際に実施された保育園保護者対象(父母)アンケートの調査報告書等の実例を紹介しながら福祉現場への接近=社会調査の対象に対する受講者のスタンスを体得して貰います。 

◆授業計画と授業内容◆
1.社会調査とは:社会学分野で起こり発展してきた社会調査の在り方を福祉領域問題関心からその沿革を学習。
2.社会調査の方法:統計的方法(統計調査法)と事例研究法(事例調査法)。
3.社会調査の実際(1)調査テーマの設定。調査研究テーマの位置づけ。
4.社会調査の実際(2)調査対象の設定。対象社会の把握。母集団の決定。サンプリングの技法。
5.社会調査の実際(3)作業仮説の設定。社会調査企画書の作成。
6.社会調査の実際(4)調査項目の作成。調査票作成、ワーディング、設計。
7.社会調査の実際(5)予備調査の実施。予備サンプルの抽出、調査依頼、実施、集計整理、点検。
8.社会調査の実際(6)本調査の実施。調査実施依頼・実施方法の決定・実施、回収。
9.社会調査の実際(7)エディティング(調査票の回答点検)。アフターコーディング。
10.社会調査の実際(8)集計。DATA入力、集計ソフトによるプログラム・フォーム作成。
11.社会調査の実際(9)分析。単純集計結果表の作成-傾向把握-クロス集計・分析。
12.社会調査の実際(11)調査集計結果の検定。集計結果の信頼度の検討。
13.社会調査の実際(12)調査報告書の作成。仮説の検証、報告書フォームの作成編集。
14.社会調査の実際(13)報告書の執筆。集計表・グラフの作成。報告書フォーム編集。
15.社会調査報告書の生かし方:調査テーマに関する社会福祉領域での調査主体と対象社会との関係。


◆事前・事後学習のアドバイス◆
このクラスでは実際に社会調査を実習形式で行うことを前提とします。既存の社会調査報告書等を紹介しますが、履修学生には自身の社会福祉分野で関心の或る領域についての社会調査報告書や新聞記事、TVニュース、インターネット情報等の中からこのシラバスにある各項目の中で興味関心を持った用語についての情報を自身なりに収集して初回の講義時間に臨んで下さい。保育園待機児童数の推移などに関心を!

◆成績評価方法と評価基準◆
数回のレポートと期末レポート提出によって評価をします。社会調査の方法を会得することが主眼となりますので、毎回の出席と主体的な取り組みにより身につく内容ですから全ての課題提出が必須です。

◆テ キ ス ト◆
教員が毎回配布する教材資料を利用します。

◆連絡先(メールアドレス)◆
ZXD05223@nifty.com