白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 保育・教育の歴史と思想 髙田 文子 後期 講義
◆授業科目の目的◆
保育・教育の現在における問題と向き合い、これからを考えるとき、歴史を紐解くことは、方向性を得るための手がかりにつながるかもしれない。時間軸の大きな流れが織り成してきた保育・教育の史実が、なぜどのような経緯で、どんな思惑によって形成されてきたのかを学ぶことは、懐古の情に浸るためではなく、今を生きる我々が文化の伝達者として「正しく知ろうとする」ためである。

◆授業科目の到達目標◆
・子どもの捉え方の変遷を知り、子どもと大人の関係性へのまなざしを学ぶ。
・保育・教育の歴史や思想に関わる基礎的知識を習得する。
・時間軸の大きな流れで教育を捉える方法、ひとつの事項を多角的に考える方法を学ぶ。
・歴史的視点からのアプローチについての方法論に関心を持ち、その手法を活かしてレポートを作成する。


◆授業の概要(テーマ)◆
 子どもと大人の関係性の変遷を概観した上で、西欧における学校形成の歴史について学校体系の視点から捉える。
 日本における学校教育の形成から確立に至る歴史について、政府の教育構想、代表的教育思想、時代的背景などからアプローチし、その中で、幼児教育がどのように位置づけられていたのかを学ぶ。
 保育・教育についての事項を歴史的な方法で取り上げることにより、論理的に考える手立てを示す。


◆授業計画と授業内容◆
1.「子ども」の捉え方の変遷と子どもと大人の関係性
2.西欧における下構型学校形成の歴史と意味
3.明治政府の初等教育構想と学校の機能
4.幼稚園の黎明と「例外」ゆえの歴史
5.儒教主義の導入と教育論争
6.森有礼の教育史における意義と限界
7.諸外国の幼児教育思想について
8.明治期の幼稚園論争
9.倉橋惣三と児童中心主義
10.城戸幡太朗と集団保育論
11.試験と選抜にみる学校文化
12.幼稚園令における幼保一元化の視点
13.戦後の教育史~教育改革を機軸として~
14.戦後の保育史
15.歴史的手法による方法論と論理的思考について


◆事前・事後学習のアドバイス◆
 事前としては、保育・教育についての学びを通して、歴史的な事項の疑問や関心について整理しておく。
 事後としては、本講義において提示した考え方や方法を卒業論文等の構想・執筆に活かす。


◆成績評価方法と評価基準◆
 最終レポート(70%)と平常点(30%)による。遅刻は3回で欠席1回に換算し、欠席は1回につき2点の減点とする。最終レポートは、本講義にて提示した手法や視点を活かして書くことを条件とし、平常点とは、授業中の小レポートや授業への参加度(考えながら参加しているか否か)によって判断する。

◆テ キ ス ト◆
 特に指定は無し。適宜プリント等を配布する。

◆連絡先(メールアドレス)◆
 研究室:E212 メールアドレス:takada@shiraume.ac.jp