白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル 社会哲学文献講読 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 人間研究演習A 赤石 憲昭 前期 演習
◆授業科目の目的◆
ドイツの哲学者ヘーゲルの人間哲学・社会哲学を参照しながら、「社会とは何か」、「国家とは何か」、そして「人間とは何か」という根本問題について考えます。今の日本は、社会的にも、国家的にも、そして人間関係的にも、決して良い状況にあるとは思えません。このような現実はどうしたら打破できるのかを、ヘーゲルとともに考えていきます。

◆授業科目の到達目標◆
人間、社会、国家について、各自が自分の思想を持つことが出来るようになることが目標です。そのために、これらの基本的知識を幅広く習得するとともに、哲学的考察の仕方を学び、各自が現代社会にそれを応用できるようになることを目指します。

◆授業の概要(テーマ)◆
竹田青嗣著『人間の未来ーヘーゲル哲学と現代資本主義』をテキストにして、ヘーゲルの人間哲学および社会哲学を学習します。テキストには、他の哲学者はもちろんのこと、社会学者、経済学者の議論も登場しますので、これらについても時間の許す限り、解説を加えていきます。また、毎回、受講票に記入してもらう受講生のコメントなども随時紹介します。

◆授業計画と授業内容◆
1.オリエンテーション/第1章「哲学の基本方法」:カントの哲学
2.第2章「近代社会の基本理念」(1):ホッブスの社会思想
3.第2章「近代社会の基本理念」(2):ルソーの社会思想
4.第2章「近代社会の基本理念」(3):マルクスの社会思想
5.第3章「近代国家の本質」(1):スミス・マルクスの経済思想
6.第3章「近代国家の本質」(2):ヘーゲルの国家論(1)
7.第3章「近代国家の本質」(3):ヘーゲルの国家論(2)
8.第4章「社会批判の根拠」(1):マルクスの社会批判
9.第4章「社会批判の根拠」(2)ヘーゲルの社会批判
10.第5章「人間的『自由』の本質」(1)自由と欲望
11.第5章「人間的『自由』の本質」(2)公共性
12.第5章「人間的『自由』の本質」(3)アレントの自由論
13.終章「希望の原理はあるか」(1):現代資本主義批判(1)
14.終章「希望の原理はあるか」(2):現代資本主義批判(2)
15.まとめ:我々はどのような社会を目指したらよいのか?


◆事前・事後学習のアドバイス◆
テキストは入門書とはいえ、必ずしも一読してすらすらわかるようなものではありません。しかし、扱っているテーマは、人間、社会、国家という我々に密接に関わっているものばかりです。最初はわからなくとも、ぜひ投げ出さずに、授業前・授業後のことあるごとに、テキストを繰り返し読み、理解に努めて下さい。

◆成績評価方法と評価基準◆
平常点(毎回の受講票コメント記入)60点+期末レポート40点の計100点満点で60点以上を合格とする。

◆テ キ ス ト◆
竹田青嗣『人間の未来ーヘーゲル哲学と現代資本主義』ちくま新書、2009年

◆連絡先(メールアドレス)◆
e-mail: akaishi@tokai-u.jp 教員講義用BLOG: http://akaishi.jugem.jp/