白梅学園 授業概要(シラバス)2010
サブタイトル 消費生活から社会を見つめる 担当者 開講時間 授業形態 単位数
授業科目名 経済学 原山 浩介 前期 講義
◆授業科目の目的◆
本講義では、私たちの消費生活について多角的に検討し、日常生活と、日本ならびに世界経済とのつながりを見ていく。例えば、なぜ100円ショップではものが安く買えるのか、といった身近な論点を追求していくと、私たちの生活が社会全体との関わりの中でどのように成り立っているのかが見えてくる。ごく日常的な事柄をベースにしながら経済学の初歩を学ぶのが、本講義の目的である。

◆授業科目の到達目標◆
本講義は、ごく身近な日常生活のなかに、世界の経済、ひいては政治や社会を見出していくトレーニングである。講義で扱う題材のみならず、自らの生活の様々な場面がどのように世界経済と結びついているのか、換言すれば、日々の生活が世界経済にどのように規定されているのかを考えることができるようになることを、本講義の目標とする。

◆授業の概要(テーマ)◆
グローバリゼーションと呼ばれる世界規模の資本主義経済の展開は、遠いところにある話に思えるかもしれないが、実はハンバーガーやコンビニ弁当、あるいは100円ショップといった、私たちの生活にごく身近なところにも凝縮されている。そうした具体的な事例をひもときながら、経済を学んでいく。

◆授業計画と授業内容◆
1.イントロダクション ――消費者は王様?消費者は奴隷?
2.エキナカの現代史
3.ファストフードとグローバリゼーション
4.地産地消・スローフード
5.有機農業1 公害問題と社会運動
6.有機農業2 その社会的受容の文化
7.食品の安全性/危険性と流通のグローバル化
8.食料自給 国産指向と国際分業論
9.価格形成とブランド
10.100円ショップから見る世界
11.インフレ・デフレと私たちの生活
12.価格破壊と産業・労働の変容
13.デマゴギーと経済
14.消費社会論の諸相 ――「モノ離れ」と「大衆の喪失」
15.予備日


◆事前・事後学習のアドバイス◆
自分の日常の消費行為、すなわち買い物などでのお金の使い方や、何を自分は買っているのかということ、そして手にしている商品が誰にどうやって作られているのかといったことを意識してみてほしい。自分の手もとにある品物の向こう側を考えてみることを、本講義に臨むための「予習」とする。

◆成績評価方法と評価基準◆
中間レポートでは講義の内容を理解できているかを評価する。期末レポートでは、自らの生活や関心に即して各自が課題設定することとし、日常の消費生活と世界とのつながりを考えられるかを評価する。

◆テ キ ス ト◆
池上甲一ほか『食の共同体』ナカニシヤ出版、2008

◆連絡先(メールアドレス)◆