白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 心理学特講
担 当 者 友田  篤 開講時期 前 期
授業形態 講 義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 今日各方面から注目されている「発達障害」とは、どういう障害なのか、その障害特性、原因、実態などを通して「正しく理解」する。また、発達障害児者への発達支援、教育、療育、就労支援、生活支援はどうあったらいいのか、を実践事例を通して学習する。
さらに、障害者福祉の理念や近年の福祉分野の改革を学び、さらに社会啓発のあり方に関して深めていく。


◆授 業 計 画
 「発達障害」の正しい理解をすすめ、援助や支援はどうあったらいいのか、社会はこの人たちをどう受け入れて行ったらいいのか等の学習を深めていくために以下の項目で進めていく。

1、「発達障害」の概念と支援の歴史的な変遷を理解する。
2、「発達障害児者およびその家族」の実情とニーズを理解し、望ましい援助者の役割と支援のあり方を
  考える。
3、本年度本格実施される「特別支援教育」とはどういうものか学習する。
4、「発達障害者支援法」について学ぶ。
5、自閉症スペクトラム、アスペルガー障害、PDD、AD/HD、LDという概念と支援のあり方を整
  理して理解する。
6、介護や福祉臨床場面において広く適用されている「受容的交流理論」について学ぶ。
7、自閉症の理解の仕方を例に、アセスメントにもとずく仮説を立て、援助方針や支援のあり方に結びつ
  ける過程を考える。
8、「行動障害」とはどういうものか、その状態をどう理解し、援助して言ったらいいのかを考える。
9、全国各地に設けられつつある「発達障害者支援センター」の機能と役割について学ぶ。
10、触法行為や反社会的行動に結びつきやすい「発達障害児者」の実情を理解する。
11、発達障害児者とその家族へのカウンセリングの適用を事例を通して学ぶ。
12、施設(通園、通所、入所など)における支援の実際を知る。
13、障害者への福祉施策の変遷を概観する。
14、障害者福祉における新しい理念に関して学ぶ。
15、障害者福祉分野の改革と障害者自立支援法を考える。


◆成 績 評 価
 レポートと授業への出席状況および学習態度の評価による

◆テ キ ス ト
 プリントやスライド、ビデオ教材

◆参 考 書
 「自閉症児の心を育てる」 石井哲夫著、明石書店

◆担当教員から一言
 「発達障害」正しく理解し、支援のあり方を考えることは、心理学特に臨床心理学を学ぶ者にはこれからの必須事項となります。この種の専門講座はきわめてユニークな講座であり他大学には皆無です。貴重な学習の場となりますので、ぜひ有効なものとして一緒に取り組んで行きたいものです。