白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 レクリエーション活動援助法
担 当 者 杉浦 史晃 開講時期 前期
授業形態 演習
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 介護サービスの究極の目的は、援助の対象となる人々がいきいきと生きがいを感じながら生きることができるように、生活全体を活性化することである。その中でレクリエーション(日常的な楽しさづくり)援助の果たす役割は大きい。この授業では、これからの社会福祉サービスにおけるレクリエーションの意味と価値を明らかにするとともに、レクリエーション活動援助の基本的方法と援助者の果たすべき役割について体験学習を織り交ぜながら追求する。

◆授 業 計 画
1)出会いの時間・・よりよく知り合うために:人と人との出会いの喜びを体験し、コミュニケーション
  を深めるレクリエーションの実際を体験する。
2)レクリエーションとは何か:レクリエーションのイメージの点検から始めて、レクリエーションとい
  う概念がなぜ生まれてきたか、現代の社会でレクリエーションの持つ積極的な意義を検討する。
3)レクリエーションと社会福祉:これからの福祉サービスのあり方を考え、その中でレクリエーション
  活動への援助が果たすべき役割を考える。
4)レクリエーションの利用者と援助者:レクリエーションの利用者こそが主体者でなければならないこ
  とを踏まえて、個別的なレクリエーション援助とグループを介したレクリエーション援助について援
  助者が身につけるべきコミュニケーション技術や人間関係能力を検討する。
5)レクリエーション援助の計画づくり(2回):レクリエーション援助は利用者のニーズを捉えるとこ
  ろから始まり、アセスメント-企画-実施-評価のプロセスを踏んで行われることが望まれる。その
  進め方を介護計画とのつながりや具体的な事例に即して検討する。
6)福祉現場のレクリエーションの現状と課題:学期途中で行われる実習を利用して現場のレクリエーシ
  ョンを観察、取材し、それをもとに今後のレク・サービスの課題を考える。
7)ケーススタディ(1) ・・高齢者の場合(2回):高齢者のレクリエーションの事例を取り上げ、それ
  が持つ可能性、援助を行う上での問題点、高齢者にふさわしいレクリエーションの素材研究を行う。
8)ケーススタディ(2) ・・障害者の場合(2回):障害者のレクリエーションの問題を、障害者の生活
  を豊かにするノーマライゼーションの一環という視点から取り上げ、バリアフリーの実現の方策を検
  討する。
9)「レクリエーション財」の体験(2回):レクリエーションは多様な素材とプログラム(レクリエーシ
  ョン財)を擁している。それらを整理し、代表的なものを体験して身につける。
10)レクリエーション援助実習(2回):いずれかの福祉現場を選んでレクリエーション計画をつくり、
  役割を分担してその一部を分担し、ビデオの記録を撮って振り返りを行う。
*授業は必ずしもこの順序ではなく、理論と実践を組み合わせて行うこともある。


◆成 績 評 価
 授業時に書く感想(ふりかえり)やワークシートと最後の総括レポートの出来ばえを総合して評価する。

◆テ キ ス ト
 『レクリエーション活動援助法』共栄出版

◆参 考 書


◆担当教員から一言
 レクリエーション援助は現場では欠かせないプログラムである。しかし、現場で行われているレクリエーションは、本来のねらいから見ると矮小化された不十分なものが多いのが現実である。レクリエーションへの認識やその実施体制が確立されていない中で、どのような実践を行えばいいのか、ともに考えてみたい。