白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 基礎ゼミナール 自分をさがそう、考えよう。
担 当 者 髙原 二郎 開講時期 前後期
授業形態 演習
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 「自分をさがそう、考えよう。」
 日本全国「個性を伸ばす教育」があふれる中で育った君たちの、個性は伸びたか?
 「自分」という存在の、中身、成り立ちを考えてみよう。環境、社会、文化、文明、歴史、国家、生まれ育って「今」に位置する自分。その自分をはかる物差しとは何か。はかり返す自分をどう形成するか。作り損なうと、どうなるか。-授業目標は、下記計画の、前・後期に掲げる。


◆授 業 計 画
◆前期(報告・討議・整理の演習入門)→自分の「姿」をさがそう。(概論1回)
(1)導入=「個性」をさがそう=生活風俗(ファッション・娯楽・レク)-芸能・芸術-スポーツ-教
   育-子ども-自分(4回)
(2)自分をさがそう-近現代の文学作品を手がかりに-(4回)
   志賀直哉『或る朝』『剃刀』-芥川龍之介『羅生門』『鼻』-有島武郎『カインの末裔』『生まれ出
   づる悩み』
(3)解体する自分-つながる自分(4回)
   夏目漱石『こころ』-武者小路実篤『友情』-太宰治『富岳百景』『水仙』
(4)上記進行中に文章表現・表記(1)、総合ゼミ(1)を組み込む。
◆後期(討議と演習)→「自分」を組み立てよう。(概論1回)
(1)討議=自分の物差しを作るためには?(議題・資料を提示、配布)(5回)
(2)演習=水俣病(6回)
   近代とは何か、制度とは何か、科学とは何か、人間とは何か、の総合入門演習。N.P.O.も訪
   ねてみよう。
(3)上記進行中に総合ゼミ(1)を組み込む。
◆年間目標点=「差別・排除・切り捨て」の論理に「立ち向かう自分」をめざそう。(整理2回)


◆成 績 評 価
 授業参加を中心に、レポートで。

◆テ キ ス ト
 前期は提供資料と図書館利用で話し合い、感想文。
 後期は、石牟礼道子『苦海浄土』(講談社文庫)、原田正純著『水俣病』、栗原彬編『証言水俣病』(いずれも岩波新書)を共通テキストに。


◆参 考 書
 展開の中で提示。

◆担当教員から一言
 社会へ向けて「考えてゆく自分」の土台作りです。各担当項目を整理、報告。それをタネに自由、勝手、気ままに話し合い。後期では担当者の報告を受けて討議、最終的には総合討議をめざします。