白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 基礎ゼミナール
担 当 者 久保木壽子 開講時期 前後期
授業形態 演習
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 基礎ゼミの共通テーマ“今わたしたちはどういう時代に生きているのか”について、現代絵本を切り口に考えていく。絵本の読者層は拡大し扱われるテーマも多様になってきている。殊に90年代以降、「絵本」は変質しているのではないか(あなたの成育史とピッタリ重なる時期である)。今、「絵本」は、誰に何を伝えようとしているのか。広く今日的な課題を掬い上げその背景をなす現代社会の実情に迫ってみたい。

◆授 業 計 画
 研究課題はメンバーと相談の上で確定する。
前期 ① 学習の前提:文学・絵本が時代状況を反映するものであることの確認。
 ② 出発点での、それぞれの「絵本観」を確認しあう。
 ③ 小川未明『赤い蝋燭と人魚』(1921)をどう読むか。
 ④ 多様な絵本観の存在:小川未明批判―いぬいとみこ『子どもと文学』(1960)
 ⑤ 松居直の絵本観:「絵本の選択」『絵本とは何か』(1973)
 ⑥~⑧ 絵本の時代的変化を見る(60~70年代・80年代・90年代・現代の絵本)
 ⑨ 現代絵本の特徴→ゼミの研究テーマを決める。ex 06年は、「虐待絵本」、「戦争を描く絵本」の2つ。
 ⑩ 課題とする絵本の内容・特徴についての調査・報告
 ⑪⑫ 課題とする絵本の理解:ex 06年は、虐待絵本『とにかくさけんでにげるんだ』の内容分析と、
  情報伝達手段としての有効性について、論文によって考察。
*⑬⑭⑮ リテラシー関連(随時):「 客観的な情報」ということ、アンダーラインを引く、要点のまと
  め方(レジュメ作成)、客観的に書く(感想と考察の区別)、文体の統一について、他。
後期 ①~④ 前期課題の絵本について。成立の社会的背景を考える。
 ⑤⑥ 森田ゆり「新・子どもの虐待」の輪読。 
 ⑦ 第2の課題について  ⑧ 課題絵本の調査・リストアップ作業   ⑨~⑩ 課題絵本の理解
 ⑪ 課題絵本の社会的背景:ex 06年は『地雷ではなく花を下さい』から地雷の問題を取り上げた。
 ⑫~⑭ 輪読形式による背景の学習:ex 06年は、『地雷と人間』の輪読。 ⑮まとめ。絵本とは何か。


◆成 績 評 価
 出席、提出物。調査研究・報告などへの積極的取り組みを重視。

◆テ キ ス ト
 配布プリント・各種絵本・新聞記事など。

◆参 考 書
 随時、紹介する。

◆担当教員から一言
 絵本の紹介や読み聞かせの方法を伝授する授業ではないので、注意。