白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 人物研究演習
担 当 者 東  喜望 開講時期 後期
授業形態 演習
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 この授業では柳田(旧姓・松岡)国男〈明治8-昭和37〉をとりあげる。彼は、それまで問題にもされなかった日本の民衆の生活と文化を研究し、日本民俗学の基礎を築いた。この授業では、柳田の生涯の行跡をたどりながら、激動の「近代」における彼の学問の成果と思想の意義を明らかにしていきたい。
授業は柳田の行跡に従って、およそ次のような課題をとりあげる。


◆授 業 計 画
 ・序
   (1)「清光館哀史」を読み、柳田の心意を考える。
   (2)「山の人生」(三)を読み、柳田の庶民への心情を考察する。
 ・出自・生いたち
   (3)「日本一小さい家」
   (4)松岡家の一つの不幸。
   (5)利根川畔布川へ。
   (6)布川徳満寺での衝撃。
 ・就学と文学活動
   (7)伊良湖岬への旅
   (8)島崎藤村『椰子の実』との関係
 ・日本民族学の発祥と確立
   (9)『後狩詞記』
   (10)『遠野物語』を読み、その意義を考える。
   (11)官界から言論界へ
   (12)旅と学問
   (13)大正デモクラシーと民衆文化の発掘
 ・晩年の成果
   (14)『海上の道』―壮大なる仮説
 ・(15)まとめ―柳田の学問と思想は「近代」を超えることができるか。


◆成 績 評 価
 ・提出レポートほか。

◆テ キ ス ト
 ・岩波文庫・柳田国男著『遠野物語・山の人生』(予定)
 ・資料プリントを配布する。


◆参 考 書
 ・牧田茂『柳田国男』(中公新書)・谷川健一『柳田国男の民俗学』(岩波新書)・中村哲『柳田国男の思想』(法政大学出版局)ほか。

◆担当教員から一言