白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 社会と人間演習 コミュニケーションの中の人間
担 当 者 三崎 和志 開講時期 前期
授業形態 演習
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 社会をごく広い意味で捉えるなら、家族・友人関係にはじまり、地域、国家、世界にまで広がりを持ちます。本講義では、個人の視点から出発して、その視線に沿って社会への視角を広げていくという意味で、身近な生活空間、親密圏におけるコミュニケーションの意義とそれにまつわる現代的な問題を考察します。〈親密圏〉は、〈公共圏〉と区別されるひとつの領域概念ですが、そこに生じているコミュニケーションをめぐる問題は、それ自身、すでに〈公共性〉を帯びたものでもあります。身近な領域に視点をおきながら、そこからもっと広くて大きな社会がみえてくる、そういう方向を目指したいと思います。


◆授 業 計 画
 『講義内容は、ほぼ3部に分かれます。
まず、最初の3分の1で、〈個人〉の存立にとって他者とのコミュニケーション、つまり原初的な社会的関係がいかに決定的な意味を持つか、ミードをはじめとするコミュニケーションの一般的理論をつうじて考えます[5回]。
 つぎに、〈親密権〉におけるコミュニケーション不全といえるような現代の事象(虐待、ドメスティック・バイオレンス、ケア・ワーク等)に関して考察し、それらの病理的現象を道理論的に把握すべきかを考察します。[5回]
 第3に、より〈親密権〉を越えたより広い、社会的領域と個人の関わりに関する現代社会の問題性について考えます。[5回]


◆成 績 評 価
 テストとレポートによる。場合によって授業中に学生による発表を組み込む(評価の対象とする)。

◆テ キ ス ト
 斉藤純一『公共性』岩波書店
 他は適宜プリントを配布


◆参 考 書
 授業中に指示

◆担当教員から一言
 ひとごとではない、ただの理屈ではない、今の自分に関わっている、将来もっと深刻に関わってくる問題として考えてください。