白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 絵本・絵巻と物語表現
担 当 者 久保木壽子 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 絵本あるいはその祖型とも言える絵巻には、絵と物語を同時に鑑賞していくという特徴がある。視覚的なイマジネーションと、ことばによる物語表現を結合した表現形態である。
この授業では、さまざまな絵や絵巻などを通じて、「絵と言葉の空間表現・時間表現」「絵の視点と物語の語り手」「享受する人々との関わり」等々の問題について考え、感動や共感を呼び起こす<交響>としての表現について理解を深めたい。


◆授 業 計 画
1 授業のねらいと概容―絵と物語の<交響>ということ
2 様々な形態:絵本・絵巻・絵解き・紙芝居・アニメーション・映画など
3 絵本の形と時間表現
4 絵本の形と空間表現
5 絵の領域・言葉の領域
6 様々な絵本:主題・対象の多様性(「いないいないばあ」~「葉っぱのフレディ」まで)
        誕生・成長・冒険・友情・恋愛・生活・自己犠牲・戦争・虐待・差別・孤独・死
7 絵本の視角 (あり)
8 絵本のルーツ:口伝えの話と物語絵
9 平安時代の絵と物語(源氏物語の中の絵・絵巻―竹取物語)
10 国宝源氏物語絵巻 絵巻の構図
11  同     逆遠近法・心的遠近法・絵巻の語り手
12 国宝信貴山縁起絵巻
<12世紀のアニメーション>(高畑勲)と言われるわけ
13 絵巻と文体
14 絵本の絵と文体
15 絵本の評価を巡って(三コ・花咲山、ちびくろサンボほか)


◆成 績 評 価
 出席と、毎回のメモを重視。それと定期試験時のレポートによる。

◆テ キ ス ト
 プリント配布

◆参 考 書
 授業時に指示

◆担当教員から一言
 できるだけビジュアルなかたちで、進める予定。