白梅学園 授業概要(シラバス)2007
授業科目名 詩歌表現の世界
担 当 者 久保木壽子 開講時期 前期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 平安時代の和歌が育んだ「ことば」と美意識は、明治期にいたり正岡子規の痛烈な批判を受けるまで、(それ以降も、例えば「小学唱歌」に取り込まれ、戦後までその影響は及んだのだが)、1000年余にわたり日本の文化を大きく規定してきた。この授業では、その大本である「古今和歌集」(905年成立)を基軸に、王朝和歌とは何かを考える。また、1200年代前半に選ばれた「百人一首」を通じて、王朝和歌の何が美として受容されたかを見ていく。

◆授 業 計 画
 I 日本の美の伝統と和歌
 II 古代和歌の韻律
 III 王朝の和歌―美の規範
   1 王朝和歌概説(社会的文化的な背景と勅撰集・私家集の成立)
   2 王朝和歌の技法
   3 美意識の展開①(古今集と四季意識)
   4       ②(古今集恋歌の表現)
   5 女歌の流(小町の恋歌)
   6 女歌の展開(和泉式部の恋歌) 
   7 贈答歌の方法
 IV 王朝の歌ことばとジェンダー
 V 百人一首―王朝和歌の受容
   1 百人一首とは
   2 歌を読み解く① 王朝和歌の受容の形1
   3       ② 王朝和歌の受容の形2
   4       ③ 中世和歌の美と方法
 VI 王朝和歌をどう見るか


◆成 績 評 価
 出席・授業時のポイントメモ・期末レポート

◆テ キ ス ト
 配布プリント ほか

◆参 考 書
 後藤祥子編『王朝和歌を学ぶ人のために』
 井上宗雄『百人一首―王朝和歌から中世和歌へ 古典ルネッサンス』他


◆担当教員から一言
 現代語訳を併用しながら、解りやすく進める予定。