白梅学園 授業概要(シラバス)2006
授業科目名 現代社会と人間B〔消費社会と欲望〕
担 当 者 八田 恵子 開講時期 前期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 日常行為としての消費を学問として、歴史的な視点から見て行く。
 日本における大衆消費社会の成立とその後における問題点を明らかにし、その中に生きる消費者としての自分たちがどうあるべきか、自分と社会の関係を見つめ直す姿勢を養う。


◆授 業 計 画
 私たちは大衆消費社会に生きている。大衆消費社会とは一握りの金持ちの好みによりモノが作られ、消費されるのではなく、「豊かな社会」に生きる大衆が大きな購買力を持ち、「大衆の好み」によりモノが大量に生産され、大量に消費される社会である。私たち(大衆)は日々の生活の中であれが欲しい、これが欲しいとモノを購入しているが、それは本当に私たちが欲しいモノなのか。真に必要なモノであるのか。
 日本における消費社会の成立、消費革命の進展、大衆消費社会の成立を歴史的に追いながら、私たちにモノを欲しいと思わせる消費のしくみや大量生産→大量消費のサイクルの中で日本や世界でいかなる問題が発生したのかを見ていく。

 授業は以下のような順序で進める。
第1回 ガイダンスとして; 何をどのように勉強するのか 消費革命達成への100年を概観
第2回 前史としての江戸時代の消費と生活
第3回 文明開化による西洋風俗の導入
第4回 流行革命
第5回 百貨店の誕生
第6回 過渡期の百貨店
第7回 百貨店の地方進出と百貨店対抗運動
第8回 消費社会と農村 1
第9回 消費社会と農村 2
第10回 戦中・戦後の国民生活
第11回 高度経済成長と大衆消費社会の誕生
第12回 大衆消費社会の限界問題 1
第13回 大衆消費社会の限界問題 2
第14回 補論 消費としてのレジャー
第15回 まとめ


◆成 績 評 価
 出席状況、授業態度、学期末のレポートで評価

◆テ キ ス ト
 特に定めない。毎回、プリントを配布する。

◆参 考 書
 必要に応じて、授業内で紹介する。

◆担当教員から一言
 板書は基本的にはしない。プリントにそって講義をするので、重要なところを自ら判断し、プリントに付け足すなり、ノートをとるようにする。そのためには講義を理解しながら聞き取っていかなければならない。そうした充実した授業を成立させるには他人の勉強を妨害するような受講態度は自重すること。