白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 生理心理学  
担 当 者 多喜乃亮介 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 心が成立する基盤となる脳の働きについて学習する。心を直接観察することはできないが、その背後にあって活動している脳の活動や関連する身体的変化は観察できる。日常生活の中ではそうした活動を意識することは多くない。しかし、事故や病気によって脳に損傷を受けると、身体だけでなく心にも大きな影響を受けることが知られている。この授業では心の働きと関連する脳の働きの学習を通して、心が意識されない多くの生理的な機能によって支えられていることを理解し、そこに人としての共通の基盤を見ると同時に、個人個人の多様性がどのようなところに含まれてくるのかについて理解を深める。

◆授 業 計 画
 まず、心が私たちのどこにあると考えられてきたのか簡単にその歴史を概観し、近代になってからの言語野の発見から現在に至るまでに、脳と心の関係についてどのような働きが知られるようになってきたのかを学ぶ。次に基本的な脳の構造について学び、脳内の各部位が私たちの感覚や動作とどのような関わりを持っているのかについて学習する。単純な感覚や筋の活動からどのようにして私たちが外の世界を知り(知覚)、どのように目標に向かって動き(運動)、どのような理解に至るのか(認知)、つまり単純な神経活動から心で意識できる経験となる過程について学ぶことになる。最後に、それぞれの脳機能がどのように統合されていると考えられるのか、最近の研究成果を紹介しながら考えていく。

以下の項目を扱う予定である

 1. 心と脳
 2. 言語野の発見
 3. 感覚信号と脳
 4. 神経系の基本構造
 5. 連合野の働きと経験
 6. 運動に関連する脳の領域
 7. 左右の脳
 8. 感情・情動と脳
 9. 記憶と脳
 10. 脳の統合的な働き


◆成 績 評 価
 出席点と授業内の提出物30%,定期試験の成績70%

◆テ キ ス ト
 プリントを配布する

◆参 考 書
 授業中に紹介する予定である

◆担当教員から一言
 心を、脳や身体面から眺めてみます。物質的な世界と私たちの心はどのように関連しているのか考えてみてはいかがでしょうか。