白梅学園 授業概要(シラバス)2005 |
授業科目名 | 卒業研究プレゼミ |   | |
担 当 者 | 多喜乃亮介 | 開講時期 | 前期 |
授業形態 | 演習 | ||
単 位 数 | 1 | ||
◆授業のねらい及び学習教育目標 後期の卒業研究の準備段階になるゼミ活動を行います。このゼミでは種々の「感覚経験」の内容を掘り下げていく予定です。無視されてしまいそうな小さな経験に気づくこと、当たり前のように感じていることを見直してみることから着手していきます。私たちの「心理」や「意識」がそうした小さな経験の積み重ねから成り立っていることを見つけてみましょう。 ◆授 業 計 画 これまでこのゼミでは、「言葉で表現することが難かしい経験」を中心テーマとしてきました。私たちは一体何を感じ取っているのか、その時に感ずる「感覚」を手がかりとして考えてきました。卒研のテーマとしては「顔の表情」や「声の表情」といったノン・バーバル・コミュニケーション、会話の中で果たす「間」の効果、「違和感」といったものを扱ってきました。昨年度は「緊張感」について研究しました。今年度もこうした「感覚」を取り上げて、感じ取ってはいるものの、つい見過ごしてしまったり、気がつかないでいる経験を研究対象とします。 今年は「実感」のある経験と「空疎」な経験の質にはどのような違いがあるのかをまず考えてみようと思います。参加者が日常生活の中で気がついたことを自由に出し合うことから始めます。指導教員の視点は、そのような経験がどのような身体感覚から構成されているのかに注目することになります。私たちはそのような直接言語表現には至らない小さな経験の積み重ねに、意外に多くの影警を受けているかもしれません。しかし、参加者はそれにこだわる必要はありません。外の世界や自分の身体感覚を感じ取ったり、それを意識し直してみることに関心の学生の参加を求めます。 まず身の回りの出来事で気がついたことを紹介したり、関連する文献を献索し、感覚経験にはどのようなものがあるのか、通常の状態だけでなく、病的な状態での経験の変容についても学習してみようと考えています。後半では、既に知られていること、知られていないことなどの整理を行い、問題点を絞りながら、後期に行う卒業研究の具体的なテーマの準備期間とします。 具体的なテーマの研究目的を定め、どのような資料を集め、どのように問題点を分析することが、研究のゴールになるのかをまとめるところまで到達することを目標とします。 ◆成 績 評 価 ゼミ活動への積極的参加とレポート(テーマ設定と研究計画のひな型となる研究計画書) ◆テ キ ス ト   ◆参 考 書   ◆担当教員から一言 一つの研究で多くのことの結論を導き出すことはとてもむずかしいことです。何が明らかでないのか問題点を詰めていき、何を自分達は調べることができるのかを見つけることが研究の面白さの一面です。自分達の研究を大きなテーマの中に位置づけることができれば、たとえ小さな研究であっても輝いてきます。それを見つける時間を共有してみましょう。 |