白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 日本国憲法
担 当 者 武藤 健一 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 一般的な日本国憲法の解釈論を中心としつつも、「ジェンダー憲法学」としての日本国憲法の人権論を展開します。私の専攻であるジェンダー憲法学から考える人権論なので、学際的に社会学の手法や研究成果も取り上げながら、現実の日本社会における人権のあり方を探求していきます。
 また、法学専攻ではなく法解釈学の基礎を知らない学生にとっては、一般に日本国憲法の授業によく見られる解釈論は難しい側面があると思われるので、それを中心的に扱うことはありません。
 上記のように、日本国憲法の授業の典型的な内容(例えば、ある条文が何を意味するのかを明らかにすること)になることはあまりないので、そのような内容を聴きたい学生はもう一つの憲法の授業を受講してください。


◆授 業 計 画
 まずは、人権を論じられるようになるための最低限の知識を押さえた上で((1))、ジェンダー憲法学から問題視される中心的な存在、家族単位主義的人権の問題性を結婚・家族、セクシュアリティ、子どもの人権の各分野で検討していきます((2)~(4))。 
(1) 人権の基本的原理~内在的制約・平等・最高規範性
(2) 法律婚家族~憲法と家族:24条と個人単位
 異性婚至上主義
 法律婚の要件
 家族の多様化:欧米との比較 
(3) 夫婦別姓~選択的夫婦別姓
 氏名権と夫婦別姓
(4) 性同一性障害~特例法とセクシュアリティ 
(5) 子どもの虐待~虐待防止法と暴力 虐待と家族単位・子どもの人権


◆成 績 評 価
 出席・平常点を重視し、試験点を加える形で成績をつけます。つまり、 出席点+平常点:学期末試験(ペーパー)=2:1 ということです。

◆テ キ ス ト
 レジュメ配布

◆参 考 書
 適時、授業の進行に合わせて紹介していく予定です。

◆担当教員から一言
 授業進行にとって妨げとなるような行為を行い続ける学生は強制退出もありえます。
 また、授業の支障となること以外は何をやっても構いませんが、お喋りや20分以上の遅刻などはまったく許されません。また、積極的な授業参加を望みます。