白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 日本とアジアの近現代史  
担 当 者 佐藤いづみ 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 アジアの近現代史のなかで、日本人のアジアへのまなざし、アジアからの日本へのまなざしがどのようなものであったか、どのように変化していったかを学びます。

◆授 業 計 画
 当時書かれた文献のいくつかを時代順に取り上げ、日本からアジアへののまなざし、アジアから日本へのまなざしを読み取り、さらに、そのまなざしの背景となっている歴史の歩みを学びます。
 先ず、日本近代を代表する思想家である福沢諭吉の「学問のすすめ」から福沢の思想の根幹にせまり、その後に展開される「脱亜論」との関連に着目します。次に、潘佩珠の「ヴェトナム亡国史」を取り上げ、日露戦争の日本の勝利にアジアの人々が向けたまなざしとその後を、東遊運動と呼ばれた日本への留学運動の行方から学びます。関東大震災の朝鮮人虐殺では、市井の人々の暴力を植民地を持つこととの関連で考えます。最後に、井筒紀久枝著『大陸の花嫁』を読んで、花嫁はなぜ大陸に渡ったのかを考えるとともに、そこに描かれた日本人と中国人の間の憎悪と交流を通して、開拓という名の侵略の実態を学びます。

 授業の展開は次のとおりです。
 (1) 福沢諭吉と明治維新
 (2) 福沢諭吉「学問のすすめ」を読む
 (3) 福沢諭吉と甲申事変
 (4) 福沢諭吉「脱亜論」を読む
 (5) 日露戦争の衝撃・・・ビルマ、エジプトの場合
 (6) 潘佩珠「ヴェトナム亡国史」を読む
 (7) 東遊運動の結末
 (8) 写真集・新聞記事に見る関東大震災と朝鮮人虐殺
 (9) 植民地朝鮮における農業政策との日本渡航の歴史
 (10) 市井の人々の暴力は何故か
 (11) 「大陸の花嫁」はなぜ大陸に渡ったか
 (12) 満鉄記録映画集第5巻「王道燦たり」を見る
    第1次武装移民団入植、千振郷、鉄道自警村
    満蒙開拓青少年義勇軍・・・開拓という名の侵略
 (13) 「大陸の花嫁」の悲劇・・中国残留孤児を生んだ逃避行


◆成 績 評 価
 出席と期末に行うレポートで評価します。

◆テ キ ス ト
 プリントを配布します。

◆参 考 書
 授業の中で紹介します。

◆担当教員から一言