白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 比較文化論・近代文明と日本人  
担 当 者 高原 二郎 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 私たちがものごとを考えたり判断したりするときの拠りどころ、物差し、尺度。日常生活をとり囲み、私たちの見方や考え方や生き方を、いつの間にか左右する大きな枠組み。つまりは皆さん一人ひとりが、それへ向けて衝き当り、悩み、そして切り拓いてゆくよりない「価値観」といったもの。その「価値観の在りよう」について、各自が自己衝突を開始することを以て授業の目標とします。

◆授 業 計 画
・授業の視点は、文学に関わる立場から、とします。
・日本の近代化、それに伴う価値観の衝突や混乱やさらには科学技術に支えられる今の社会をどのように考えるかなど、下記の項目を目安に展開、一緒に考えてゆきましょう。
1.日本の近代化と西洋-価値観についての基本理解-
 (1)文明の先進と後発
 (2)新旧混乱期の実情
 (3)文学者の西欧体験
 (4)キリスト教、儒教、武士道
2.近代的な考え方へのアプローチ
 (1)個人、人格、エゴ
 (2)愛、慈悲、仁、ヒューマニズム
3.自然観と近代-価値観についての展開-
 (1)西欧の自然
 (2)東洋の自然
 (3)日本の自然
4.自然科学と人間
 (1)自然科学をどのように考えるか
 (2)自然科学と制度
 (3)「科学者らしくあること」と「人間らしくあること」
5.疎外と人間-石牟礼道子『苦海浄土』


◆成 績 評 価
 授業参加とレポートで。

◆テ キ ス ト
 用いません。

◆参 考 書
 展開の中で示します。読書は義務としません。

◆担当教員から一言
 各自が最低一つ、何らかの自己衝突を期待します。