白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 人物研究Ⅱ〔柳田国男〕  
担 当 者 東  喜望 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 柳田(旧姓・松岡)国男は、日本民俗学の基礎を築いた優れた学者である。この講義では、激動の「近代」における彼の学問の成果と思想の意義を明らかにしていきたい。

◆授 業 計 画
 柳田国男〈明治8年-昭和37年〉は貧しい医師の子として、兵庫県姫路近くの神崎町で生まれた。大学を卒業してのち、彼はそれまで問題にもされなかった民衆の生活と文化を調査研究し、優れた学問的成果を収めた。柳田の生涯の行跡をたどり、その成果と思想を明らかにする。講義はおよそ次の順で行う。

〈生いたち〉
1.「日本一小さい家」・松岡家の不幸。
2.布川徳満寺絵馬の衝撃。
3.経世済民の志。(就学と詩人松岡国男)
4.東京帝国大学入学と農政学専攻。
5.自然主義作家たちとの交流。
6.伊良湖岬と島崎藤村「椰子の実」。
7.柳田の着想。
〈明治時代と民俗学の夜明け〉
8.激動の明治。
9.農政家から民俗学へ。
10.『遠野物語』の意義。
官界から言論界へ〉
11.貴族院議長徳川家達との不和。
12.朝日新聞客員へ。
13.旅と学問-大正デモクラシーと民衆文化の発掘・日本民俗学の確立。
〈まとめ〉
14.日本の敗戦と柳田国男。
15.壮大なる仮説「海上の道」-柳田の思想は「近代」を越えることができるか。


◆成 績 評 価
 出席、定期試験時のペーパーテスト(ノート・プリント参照可)。

◆テ キ ス ト
 プリントを使用する。映像資料(スライド・ビデオ等)上映。

◆参 考 書
 中村哲『柳田国男の思想』(法政大学出版局)・谷川健一『柳田国男の民俗学』(岩波新書)・鹿野政直『近代日本の民間学』(岩波新書)

◆担当教員から一言