白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 現代子ども学  
担 当 者 無藤  隆・西村 章次 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 現代社会における子どもの状況と発達のあり方について学ぶ。少子化や核家族化、地域社会の変容など、子どもを取り巻く状況の大きな変化は、子どもの健やかな発達を阻害し、また、子育てに悩む保護者を生み出している。本講では、現代日本の子どもの発達や子育ての状況について、その背景と現状を分析する。また保育所における気になる子の問題は何か、保育士間でどう意思疎通をはかり、専門機関と連携していくかを考える。不登校問題、親がドクター・ショッピングをせざるを得ない状況のなかで発達・教育相談はどうあるべきか検討し、発達する子どもたちの姿を描く。次に外で自由に遊べなくなっている社会的状況、虐待問題を検討し、どの子にとっても、おとながかかわろうとする心をもつことがいかに大切かを述べる。そういった課題を受けて、保育所・幼稚園・小学校などでどのように対応し、保育・教育を進めるかを論じる。

◆授 業 計 画
第1回 現代社会における子どもの発達のあり方の特徴を、少子化、メディア、経済的豊かさ、等の観点から検討する。
第2回 現代社会における子育て状況を中心として、女性・男性の成人期の発達から、恋愛・結婚・子育て・労働などの意義を論じる。
第3回 保育所が抱える気になる子―コミュニケーション(人と人とのかかわり)が苦手な子
第4回 「空気のような(互いの)存在感」―1歳6ヵ月~2歳6ヵ月の明(仮名)とかかわって
第5回 どろんこ保育所での子ども相談―保育士間の連携、専門機関との連携、相談体制
第6回 不登校になっていた自閉症の毅(仮名)と出会って―みんなで心を分かち合う
第7回 毅のお父さんの気持ちとパールバック―子どもが抱くトラウマの問題にもふれて
第8回 発達・教育相談のあり方―関係の育ちへの支援
第9回 どの子も発達する―子どもたちの姿を紹介
第10回 外で自由に遊べなくなっている現代っ子―親たちの声、そしてある「校則」問題にふれつつ
第11回 児童相談所はいま―なぜ虐待が
第12回 かかわることこそ―サリヴァンとヘレン・ケラーから
第13回 保育・幼児教育の場面における子どもの遊びや育ちのあり方を説明し、そこでの専門家である保育者の役割を論じる。
第14回 小学校における授業での子どもの姿や学習のあり方、またそれを通しての子どもの発達のあり方を論じ、担任の教師の指導のポイントを述べる。
第15回 期末試験


◆成 績 評 価
 筆記試験で評価

◆テ キ ス ト
 

◆参 考 書
 講義のなかで紹介します。

◆担当教員から一言
 発展科目の基盤となる講義なので、講義から子ども学に関して問題意識を自らつかんでほしい。