白梅学園 授業概要(シラバス)2005 |
授業科目名 | 基礎ゼミナール |   | |
担 当 者 | 多喜乃亮介 | 開講時期 | 前後期 |
授業形態 | 演習 | ||
単 位 数 | 2 | ||
◆授業のねらい及び学習教育目標 「私たちは今、どういう時代に生きているのか」という共通テーマのもとに、このゼミでは「人間に対する科学的探及の現状と可能性、およびその問題点」について、参加者各自が一定の見解を持つことを目標とし、そのための土台作りの時間とする。 ◆授 業 計 画 保育・児童教育・福祉といった「人」に関わる学びの第一歩を踏み出すにあたって、目前の対象・事象を深く知ることは重要なことだが、それだけに留まることなく、私たち人間が置かれている現状にも視野を広げ、総合的にものごとを判断する力が期待される。現代社会は多種多様な科学技術の発達によって自然状態では見ることのできない領域を知り、生命の操作すら厭わない風調が生まれている。また、学問領域が細分化され、高度技術が関わってくると、専問家でない限り正確な判断を下せないといった錯覚や、積極的な関わりを避ける傾向が生まれてくる。このゼミでは、積極的にそのような情報に取り組み、私たちは何を知り、何を共有財産として次世代に渡していくことが求められているのか、自律的な判断と批評能力を持てるようになることを目標とする。特に、比較的身近な人や動物を対象とした科学的研究の実例を学ぶことを通して、「科学的」とされるものの本質に踏み込んでいく。 前期は主にScientific American誌(日本語版は「日経サイエンス誌」)の研究論文を読んでいく。発表者はそこで取り上げられた方法論、測定手法、観察対象、実験結果などを整理し、何がどこまで明らかにされているのか、残されている問題はどのようなものか、結論の適用はどこまで可能か、などの検討を加えていく。ゼミ参加者は、自分自身にとっての新たな発見や新しく得られた視点、あるいは不明な点などを出し合い、一つの研究から互いに共有できる情報がどのようなものかを探っていく。自間的に余裕がある場合は、ゼミ中に簡単な心理実験などを実際に行ってみることも考えている。 後期は、最新の研究成果について発表された新聞報道や、研究論文の記事などを各自が持ち寄り、私たちの生活との関わり、子どもの発達・成長との関わり、文化、社会、人間観との関わりなどの自由な視点から意見交換を行い、私たちの生きている現代社会の中にそれらの研究を位置づけてみる。特に関心を持ったテーマについては、その現状と課題について各自で発表できるところまで、資料の集収と整理・検討を加えていく。同時に発表技法についての学習機会ともする予定である。 ◆成 績 評 価 ゼミ活動への積極的な参加とレポートによる ◆テ キ ス ト   ◆参 考 書   ◆担当教員から一言 テレビの世界では今だにオカルトや血液型性格診断が流行っているようです。ともすると「科学的」な証明を持ち出すものもあるようです。こうなると遊びの枠を超えて、私たちの人間観まで知らず知らずに歪められていないでしょうか。果たして私たちは「科学的」に何を知っているのか共に考えてみませんか。 |