白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 近代音楽の世界 その側面を知る
担 当 者 加納 民夫 開講時期 後期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 芸術は人間が産んだ最高の資産であり、それを知ることにより人生をより豊かなものへと昇華させていきます。とりわけ音楽は時間芸術であり、これに触れることにより、この多忙で喧騒の時代状況を心広く生き抜くうえで有用であるばかりでなく、「こども学科」の学生として、次代を担うこどもたちの育成のあり方を学ぶ者にとって役に立つことでしょう。授業では、西洋音楽の世界、とくに近・現代の音楽を中心に進めていきます。近・現代は、それまでの宮廷や教会を中心に展開していた音楽活動の場を広く一般市民に解放し、より自由に、より幅広く、また地域によっては民族主義の考え方を許容してきました。そうした市民社会が育んだ西洋音楽とその形成に大きな役割と影響を果たした流れと側面を知ることにより、音楽の持つ魅力に迫っていきます。

◆授 業 計 画
 15回程度の授業を予定します。全体は市民社会の流れのなかで音楽がどう位置づけられ、どう扱われてきたのかを横軸としながら、実際の「音楽の現場」の話を中心に、時代を画した作曲家、演奏家、作品にスポットをあて、さまざまなメディアを使いながら具体的に進めていきます。

1~2.西洋音楽の大きな流れ~近・現代に至る道すじ
3~4.イタリア音楽の現場
5~7.ドイツ・オーストリア音楽の現場
8~9.フランス音楽の現場
10.  ロシア音楽の現場
11.  その他の国々の音楽の現場
12.  オリエンタリズムの現場
13~14.20世紀の音楽の現場
15.  放送、レコーディングと音楽の現場


◆成 績 評 価
 出席とレポートで評価します。

◆テ キ ス ト
 当方作成のプリントで行うほか、DVD、LD、CD等の視聴を行います。

◆参 考 書
 授業内で紹介していきます。

◆担当教員から一言
 現代は多種多様な音楽が溢れる時代です。そうしたなか、ポップスミュージックは商業主義、経済の論理で戦略が組まれています。つまり、受容者は受身でいても、次から次へと目新しい世界が提供されます。しかし、西洋音楽、とりわけクラシック音楽とジャンル分けされる音楽は、受容者のアプローチの仕方でどのようにでも姿を変貌させます。ですから、西洋音楽を肩の凝る、あるいは敷居の高い音楽に追いやるのではなく、自ら積極的にアプローチすることが西洋音楽と仲良くなれる近道でしょう。授業では各メディアを多角的に使用し、一般の音楽書や解説書などでは得られない情報を提供していきます。