白梅学園 授業概要(シラバス)2005 |
授業科目名 | 総合科目・人間 |   | |
担 当 者 | 石館三枝子・平賀 明彦・三崎 和志 | 開講時期 | 前期 |
授業形態 | 講義 | ||
単 位 数 | 2 | ||
◆授業のねらい及び学習教育目標 「人間をどう見るか」を統一テーマとして、研究分野の異なる3人の教員がそれぞれの切り口で課題にアプローチします。人間を探求し、人間理解を深めるためにはどのような方法があるが、それぞれの分野の特徴をつかみながら、受講生一人一人に考えてもらいたいと思います。 ◆授 業 計 画 授業は次のように、5回ずつで教員が交代し、バトンタッチしていきます。それぞれのアプローチの仕方にはとくに共通性を持たせることはしませんでしたが、いずれも、それぞれの研究領域に特徴的な切り口で人間理解に迫っていく方法を提示します。それぞれの担当者の授業の柱立ては以下の通りです。 石館三枝子 近年のDNA科学の発展によって、人間のゲノムのDNAの解析がほぼ終了しています。 DNAが人間の特質を決めるという事の意味を知り、またDNAでは決まらない点は何かを考えます。 そして生物として見ると人間とはどのような存在なのか、どのような特質をもつのかを進化の観点から検討し、これから先に出てくるであろう問題を考える契機とします。 (1)DNAとは何か、DNAによって生命はどこまで解明されたのか。 (2)DNAで決まる人間の特質とは? DNAで決まらない人間の特質とは? (3)サルはどのようにしてヒトになったのか。その分岐点は何か。 (4)ヒトはどのようにして人間になったか。脳と心の進化。 (5)これからの課題、環境の問題と新しい医療がもたらす生命倫理の諸問題。 平賀明彦 歴史の激動期の時代の流れと人々の生き方との関わりから、人間を見つめてみます。開国に始まる幕末・維新の大きな時代の動きの中で、そして、次々と押し寄せる近代化の嵐の中で人々の「生」はどう位置づけられていったのかを歴史過程に沿いながら追っていこうと思います。 (6)西欧近代に取り囲まれた開国 (7)津波のような西欧近代化・文明化 (8)国権と民権の狭間で (9)近代制度の確立と馴致される国民 (10)統御され秩序化される人々の「生」 三崎和志 現代社会の具体的問題を考えながら、現代の人間のおかれた状況について考察し、その問題点と解決の方向性について考えていきます。 (11)問題への導入として、「パラサイト・シングル」、「ニート」等に関する議論を掛かりに、現代の日本の青年の置かれた状況について考えます。 (12)現代日本の状況を考える理論的枠組みとして、ドイツの社会学者ウルリッヒ・ベックの「リスク社会」論を検討します。 (13)依存症、虐待等の問題について考える。 (14)介護等のサービス労働における「感情マネジメント」「感情労働」といわれる側面について考えます。 (15)まとめ ◆成 績 評 価 それぞれの担当部分が終了したところでレポートを課し、3人の総合評価で成績を出します。 ◆テ キ ス ト それぞれ、とくに定めません。 ◆参 考 書 それぞれの担当者が、参考文献をそと都度紹介します。 ◆担当教員から一言   |