白梅学園大学/白梅学園短期大学

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2020年度 卒業証書授与・学位授与 学長式辞

白梅学園大学、白梅学園大学大学院、白梅学園短期大学の卒業証書授与・学位記授与 学長 近藤 幹生 式辞

緊急事態宣言が再延長となり、半月後は様々な現場に就職するみなさんへ卒業・修了をお祝いしながらも感染予防を最大に行うため、講堂に集合しての式典は実施せず、クラス別に講義室に集合し証書授与を行いました。卒業、修了にあたり学長より行いました。

 

 

学長式辞 近藤幹生 2021(令和3)年3月15日

 

 白梅学園大学子ども学部子ども学科、発達臨床学科、家族・地域支援学科の卒業生の皆さん、白梅学園短期大学保育科の卒業生の皆さん、白梅学園大学大学院子ども学研究科修士課程修了者の皆さん、卒業・修了、おめでとうございます。心からお祝いいたします。いま、一人ひとりの想いを噛みしめ、白梅の卒業生であることの誇りを胸に、新しい一歩を、すすんでください。皆さんが、4月からスタートする道には、いくつもの困難がありますが、自ら進む速度と、多様な歩き方が、あってよいのだと思います。
これまで学び、本日、巣立っていく白梅について、ぜひ、記憶にとどめておいてほしいことを、二つだけお伝えします。


 一つ目は、白梅学園には、多くの先輩たちや地域の力に支えられた長い歴史があるということです。1942年、社会教育協会によって設立された東京家庭学園が母胎であり、来年、2022年3月、80年を迎えます。この歴史の創造には、多くの先輩たちの苦難がありました。
 学園創設間もない頃、戦災で施設をすべて失いました。しかし、戦後すぐに再建が進められます。戦後の歩みでは、たとえば、1968年から1974年まで学長を務めた樋口愛子先生は、この土地を訪ね歩き、10人以上の地主さんに、教育の必要性を訴えました。白梅学園が都内から小平に移ることが、地域の文化にとっても、どんなに大事かを話して歩いたとのことです。お金も、権力もなくても、人間味あふれることばで協力を得ていかれたそうです。こうして一年一年、歴史を築いた先輩たちがいて、いまも、社会の各方面で活躍しています。本日、卒業・修了する皆さんも、この白梅、小平のキャンパスで学び、今後の歴史を発展させていく主人公であることを、忘れないでほしいのです。
 二つ目は、本学の白梅という名称についてです。白梅学園の学園歌「雪ともまごう白梅」をどう思いますか?「栄ゆく春のみちびきと」「薫りて清き姿こそ、われらが道の、願いなれ」とあります。寒風の厳しさのなかで、春に先駆けて咲く白梅の花を、みなさんはどう考えるでしょうか。また、「求むる道の一筋に」「たわみておれぬ姿こそ、学びの道の願いなれ」とあります。私たち一人ひとり、あるいは人間社会の未来を導く意味が、白梅という名前に、こめられていると、いえるのではないでしょうか。白梅学園短期大学創立50年の記念碑が、すぐ近くにありますので、是非確認をしてください。
 以上の二つをお伝えしたのは、2020年1月以来、世界中を襲い、いまなお続く新型コロナウイルス禍において、白梅学園の建学の理念である「ヒューマニズムの精神」を問い直し、深めてほしいからです。人間一人ひとりは、がかけがえのない存在であり、尊厳をもつことと、私は話をしてきました。白梅の学び舎を、苦労を重ねて築いてきたのは、一人ひとりの存在です。皆さんも、私たちも、先輩たちからバトンをうけとり、次へ引き継いでいきたいものです。
 いま、子どもや大人の生命、健康、安全、日常の生活が、問われています。見通しをもつむずかしさはありますが、確かな一筋の光を、次のような姿に見出せるのではないでしょうか。乳幼児や学童、そして子どもたちの成長・発達を支え、親たちの仕事と労働を守るために、心を砕き、休むことなく懸命に働く保育者がいます。そして、子どもたちが基礎学力を修得し、ともに学ぶ喜びを実現するために、教材準備をする小学校教諭、また、心理や障がい、特別支援教育の学びを深めながら実践をかさねる専門職の姿があります。さらに、高齢者や心身にハンディをもつ人たちに寄り添い、身を粉にして働く介護職や福祉職の姿もあります。
 今後5年先、10年先をぜひ見つめていきましょう。皆さんは、これまでに、社会に人が生まれ、育ち、大人になっていくプロセスを学びました。子ども・人間への幅広く豊かな教養と、深い専門的知識・技術を修得し、さらに現場と連携した実習の学びをすすめてきました。いよいよ、さまざまな場で、この力を発揮するステージにむかいます。どうか、一人ひとりが、まず自己を肯定してください。常に、誠実に生き抜いてほしい。競争社会にあっても、互いに対話することを大事に考え、不自由な、孤立しがちな人を助け、支え合いたいと願います。そして仲間とともに、連帯の絆をつくる生き方も創造してほしい。こうした学びや問いが、同時に人間社会の発展をめざすことにつながり、人類の福祉や人間の尊厳への理解を深め、建学の理念「ヒューマニズムの精神」のとらえなおしに、かかわるといえるのではないでしょうか。
 短期大学、大学、大学院の皆さんは、白梅学園の一員として、ここで学び、過ごしてきました。歩いていく道は、一人ひとりちがいます。期待とともに不安もあるでしょう。しかし私は、皆さんが、自ら思考をかさね、自立的に判断し、前進していくはずだと断言できます。なぜなら、仲間たち、先生方や職員の方との出会いを通して結ばれた、確かな絆が、エネルギーの源(みなもと)となっているからです。どうぞ、自信をもち、第一歩を進んでください。
 終わりになりますが、卒業される一人ひとりの皆さんを、支えてこられた、ご家族の方々に、心より、お祝いを申し上げます。コロナ禍、この場にお招きできないことになりましたが、どうぞお許しいただき、ご理解いただきたいと思います。本日スタートする一人ひとりの卒業生・修了生、特に20代前半の時期は、多感であり、かつ試行錯誤の日々でもあります。悩みや迷いをかさねながら、社会へと自立をめざす姿こそ、頼もしさがあります。卒業生・修了生の姿から、ご家族の中で育まれてきた暖かい人間性を感じざるを得ません。重ねて、心からお喜びを申し上げるとともに、今後とも白梅学園を見守り、支えていただきたいと思います。


 本日、内外のご来賓各位にも、ご来席を遠慮いただきました。本学の歴史からも明らかなように、同窓会や後援会をはじめ諸先輩の皆様方には、大変お世話になっております。末永く、学生たちを見守っていただけますようお願い致します。こうした本来、お招きすべき多くのご来賓の方々を代表して、学校法人白梅学園井原徹理事長から心あたたまる励ましのことばをいただいています。ここに、深く感謝の気持ちを、お伝えさせていただきます。厳しい時代における卒業生・修了生たちの巣立ちを見守ってくださるよう、重ねてお願い致します。
 以上をもちまして、2020年度卒業式・学位授与式の式辞といたします。



2021年(令和3年)3月15日 白梅学園大学・白梅学園短期大学・白梅学園大学大学院
学長 近藤 幹生

 

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