白梅学園 授業概要(シラバス)2005
授業科目名 現代社会と人間B〔消費社会と欲望〕  
担 当 者 八田 恵子 開講時期 前期
授業形態 講義
単 位 数
◆授業のねらい及び学習教育目標
 私たちの日常行為である消費を学問として、歴史的な観点から見ていく。
 日本における大衆消費社会の成立とその後におけるさまざまな問題を明らかにした後、その中に生きる消費者としての私たちはどうあるべきか、自分と社会を見つめなおす姿勢を養いたい。


◆授 業 計 画
 私たちは大衆消費社会の中に生きている。大衆消費社会とは一握りの金持ちの好みによりモノが作られ、消費されるのではなく、「豊かな社会」に生きる大衆が大きな購買力を持ち、「大衆の好み」によりモノが大量生産され、そして大量消費される社会である。私たち(大衆)は日々の生活の中であれが欲しい、これが欲しいとモノを買っているが、それは本当に私たちが欲しいモノなのか。
 日本における消費社会の成立、消費革命の進展、大衆消費社会の成立を時間軸で追いながら、私たちにモノを欲しいと思わせる消費のしくみや大量生産→大量消費のサイクルの中で日本や世界でどのような問題が発生していくのかを見ていく。

 授業はおおむね以下のような順序で進める。
   1 前史としての江戸時代の消費と生活
   2 文明開化と流行革命
   3 百貨店の誕生と消費のゆくえ
   4 消費としてのレジャーの展開
   5 戦中・戦後の国民生活
   6 高度経済成長と大衆消費社会の誕生
   7 大衆消費社会の限界

 授業の手がかりとして、文明開化期の奇妙な流行やデパートを中心とした流行の創出、レジャーの広がり、戦時中の国民生活など具体的な事例を史料を通してできるだけ見ていきたい。


◆成 績 評 価
 出席状況と学期末のレポートの結果で評価する。

◆テ キ ス ト
 特に定めない。毎回、プリントを配布する。

◆参 考 書
 必要に応じて、授業内で紹介する。

◆担当教員から一言
 板書はほとんどしない。プリントにそって講義を進めるので、教師の話から重要だと思われる点を自ら判断し、プリントに付け足したり、ノートをとるようにする。そのためには話をしっかりと理解しながら聞き取っていかなければならない。特に一年生は高校時代までとは違うこうした短大生としての勉強の仕方を身につけて欲しい。
 充実した授業を成立させるには他人の受講の妨害になるような態度は自重して欲しい。各自の自覚を期待する。