白梅学園大学/白梅学園短期大学

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2018年度入学式 学長告辞

白梅学園大学、白梅学園大学大学院、白梅学園短期大学の入学式 学長 近藤 幹生 告辞

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入学式 学長告辞 近藤幹生 2018年4月2日

 

白梅学園大学・白梅学園短期大学・白梅学園大学大学院に入学された366名の皆さん、おめでとうございます。また、入学された皆さんのご家族の方々に、心より、お祝いの気持ちをお伝えします。本当におめでとうございます。

 

皆さんは、どのような気持ちで、今日を迎えているでしょうか。「自分は、「乳児や幼児の保育について学びたい」「学童期の子どもの教育を目指したい」「特別支援教育に関心がある」「心理学や発達に興味がある」「社会福祉の学びに力を入れたい」「子どもの文化や歴史を深めたい」「高齢者の介護について知りたい」」など、動機は様々だと思います。まだ漠然としていて、どうしたらよいかと思っている方がいるかもしれませんが、大丈夫です。これからがスタートなのです。皆さん一人ひとりが、学ぼうとする意欲や、様々な気持ちも含めて、自分をしっかり確かめてみてください。本学への道を選び、今日、第1歩を進み始めようとしている皆さんを、私は全力で応援したいと思います。皆さんの前におられる先生方は、専門分野の研究を重ね、皆さんの教育に力を傾けてくださる先生方です。そして多くの職員の方々も、皆さんの新しいスタートを心から応援してくれています。

入学にあたって、私から3点だけ、お話をさせてください。

 

一つ目です。先ほど私は、皆さんの学びへの期待や思いを聞き、「保育や教育」、「心理と発達」、「特別支援」「福祉」、「文化や歴史」、「介護」などと言いました。それぞれ、専門分野の学びにかかわることです。また学問の分野としては違いがありますが、「異なる専門性をもっている」といってもよいと思います。では、それぞれ違う分野だけれども、それらに共通することはないのだろうか、と考えていってほしいのです。ゆっくりと思考を重ねてください。これは、私の考えですが、それらに共通することの一つは、人間、人に関する学問分野だ、ということです。皆さんが、これから2年後、4年後に卒業するときの職業として考えると、人間を相手にする仕事、人を対象とする職業ということです。この人間を対象とする分野を目指す時、どのような力量が必要なのでしょうか?専門分野の知識・技術は不可欠です。でも、それだけで十分なのか、ここを考え続けてほしいのです。

 

二つ目です。白梅学園の歴史のことです。この歴史を学ぶ中から、いま一つ目にお話しした人間について、とくに人間の生命、人間を尊重することについて、考えてほしいのです。皆さんは、白梅学園がヒューマニズム、人間を尊重するという理念をもつ大学・短期大学として歴史があることを聞いているかもしれません。白梅学園は創設されて昨年で75周年を迎え、いま、80周年にむかっています。

本学には『白梅学園短期大学創立二十五周年記念誌』『白梅学園短期大学創立五十周年記念誌』などの本があります。創立の頃の一部分を紹介します。白梅学園は東京家庭学園の創立にさかのぼりますが、1944(昭和19)年、校歌の歌詞を募集しました。生徒である栗田道子の詞が選ばれ、作曲は東京音楽学校の下総皖一(しもふさかんいち)氏がおこない、現在も学園歌として歌い継がれています。歌詞を読んでみます。「雪ともまごう白梅のかおりなつかし 栄(さか)ゆく春のみちびきと薫りて清き姿こそわれらが道の願いなれ」「朝露やどす秋萩の花のやさしさ 求むる道の一筋にたわみて折れぬ姿こそ学びの道の願いなれ」二十五周年記念誌では「年若い生徒の作品として格調高く美しい歌だ」と指摘しています。

また、この頃、昭和20年5月の記述があります。

「東京山の手に対する大空襲に会い、焼夷弾が文字通り雨のように降る中を全員かろうじて校舎から逃れ出た」そして「一人の死傷者もなく夜を明かした」とあります。こうした戦前の苦難の歩みがあったことがわかります。戦後、学園は再開されますが、当初の学科目・教員名に、リトミック・パリ、ダルクローズ学校卒 小林宗作の名を見ることができます。今日よく知られている黒柳徹子さんの『窓際のトットちゃん』に登場する校長先生が小林宗作です。その後、1957(昭和32)年の白梅学園短期大学を経て、今日に至るわけです。こうした諸先輩の優れた教育の伝統を継承しながら、人間の尊重、ヒューマニズムの精神は生き続けているといえます。一人ひとりの人間の生命は、限りなく尊い存在だということ、この命を繋いでいくことが私たちの役割だと思います。ぜひ、歴史を学び合い深めていきましょう。

 

三つ目です。はじめに、今の気持ちを確かめてほしいと言いました。私は心を込めて皆さんを応援していきますが、一つお願いしたいのは、「自分から」という能動性です。「誰かが教えてくれるから」ではなく、「自分から動いてみる」という積極性を持ってほしいのです。「尋ねてみること」、たとえば「図書館に足を運んでみること」「先生方の研究室のドアをノックしてみること」。自分から様々な問題を考えていくという姿勢です。これは、これまでと違うので、はじめは戸惑うかもしれませんが、それが大学だと考えてください。そもそも、大学・短期大学・大学院の場とは、学問を研究する場です。学問という文字を頭に思い浮かべてみてください。「問うことを学ぶ」ということです。「なぜだろうか、どうしてだろうか」と自分で問いをたてて研究していく、「真理を探究していく」ということです。場合によって「自分はこう考える」と様々な意見を発信してください。時には、私ども教員も、そこに参加しディスカッションするのもいいと思います。今、広く社会を見つめていくと、複雑なテーマがいくつもあります。その社会のあり方を問うことこそ、大学の役割だと考えています。

最後は難しくなりました。さて、今日からスタートです。

 

終わりに。本日、お忙しい中、ご来席いただいている来賓の皆様各位に、心から感謝するとともに、2018年度の白梅学園大学・白梅学園短期大学・白梅学園大学大学院への一層のご支援をお願いし、学長告辞とさせていただきます。 

               

2018年4月2日

 

参考文献

白梅学園短期大学編 『白梅学園短期大学創立二十五周年記念誌』 白梅学園短期大学、1982
白梅学園短期大学編 『白梅学園短期大学創立五十周年記念誌』 白梅学園短期大学、2009
黒柳徹子〔著〕 『窓ぎわのトットちゃん』 講談社、2015(講談社文庫)

 

 

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